今見ても、実に面白かった。前はいつ見たんだっけな、変な映画って思ったことは覚えてる。その後「エターナル・サンシャイン」のようなチャーリー・カウフマンが脚本を書いた映画を何本か見て、この「変さ」は監督というより脚本家が原因だと気付いた。スパイク・ジョーンズ監督はSF的世界が好きだけど、これほど「変」ではない。だって穴に入ったらジョン・マルコヴィッチになるんだよ??
71/2階はハリポタの93/4番線に似てる(どっちも変)。(私がいつもバスに乗る〇〇駅のスクランブル交差点の途中から仮設してある〇〇駅行乗り場も同じくらい唐突で気に入ってる)
人形遣いが操る、自分と妻にそっくりな人形は「アノマリサ」にも通じる。真面目にいうとマルコヴィッチの穴も人形遣いが人形になるようなもので、自分が自分でなかったらもっと仕事ができて女にもてたりして…という「if」のお話なんだよね。カウフマンって人は自我がばらばらになったりしないのか心配になるくらい、いろんな可能性をいつも考えてるのだ。(実は彼の映画は全部見ている)
でもなぜマルコヴィッチ?ジョージ・クルーニーでもブラピでもロバート・デニーロでもだめだ。有名過ぎず、こんな変な設定にあてはめても違和感がない俳優か。‥‥って前に見たときも思ったっけな。
穴に入るほうの人形遣いをジョン・キューザックがやるのはとってもハマリ役だと思うし、意外と何にでも出るキャメロン・ディアスも良いと思う。
…改めて、この設定って高尚な未来SFを作ることもできたと思うけど、めちゃくちゃ卑近で安っぽい感じに(リアリティのない怪しいビルの片隅で、闇でお金をとってマルコビッチ体験をさせるっていう)発展させて、同性愛の女性同士だけがハッピーになるっていうデタラメな(っぽい、ということです、ほめてます)結末なんかにしたりして、やっぱり面白いのはチャーリー・カウフマンだな。「アノマリサ」以来もう6年も映画化されてないみたいだけど、その後どんな脚本を書いているのやら…。