マルコヴィッチの穴

まるこびっちのあな|Being John Malkovich|Being John Malkovich

マルコヴィッチの穴

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レビューの数

51

平均評点

72.0(528人)

観たひと

1128

観たいひと

103

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1999
公開年月日 2000/9/23
上映時間 112分
製作会社 シングル・セル・ピクチャーズ=グラマシー・ピクチャーズ=プロパガンダ・フィルムズ作品
配給 アスミック・エース
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に入れる不思議な穴をめぐる、奇想天外なガジェット・ムーヴィー。監督はこれがデビューのスパイク・ジョーンズ。脚本・総指揮もこれがデビューのチャーリー・カウフマン。撮影は「バッファロー'66」のランス・アコード。出演は「ラウンダーズ」のジョン・マルコヴィッチ、「狂っちゃいないぜ!」のジョン・キューザック、「エニイ・ギブン・サンデー」のキャメロン・ディアス、「アウト・オブ・サイト」のキャスリーン・キーナーほか。2000年ゴールデン・サテライト賞作品賞と最優秀助演女優賞受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

人形使いのクレイグ・シュワルツ(ジョン・キューザック)は、ペットショップに勤める妻ロッテ(キャメロン・ディアス)と貧乏な二人暮らし。ある日、彼は定職に就こうと新聞の求人欄を広げ、マンハッタンのビルの71/2階にある会社、レスター社の職を得る。そこで美人OLのマキシン(キャスリーン・キーナー)に一目惚れした彼は、彼女を追いかけるが相手にしてもらえない。そんな時、会社の一室で、有名俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に15分間だけ入れる穴を見つけてしまう。クレイグはそれを使って商売を始め、次々と客をマルコヴィッチの穴に入れていく。が、それに気付いたマルコヴィッチ本人が自分の穴に入ってから事態はややこしくなってくる。ロッテがその穴に入り、男としてマキシンと性体験して子供まで作ってしまったりと、どんどんエスカレート。クレイグは元の人形使いに戻り、マルコヴィッチはねじれた世界へ突入していくのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2000年12月上旬号

外国映画紹介:マルコヴィッチの穴

2000年10月下旬号

劇場公開映画批評:マルコヴィッチの穴

2000年9月下旬号

作品特集 マルコヴィッチの穴:ジョン・マルコヴィッチ インタビュー

作品特集 マルコヴィッチの穴:スパイク・ジョーンズ インタビュー

作品特集 マルコヴィッチの穴:作品評

作品特集 マルコヴィッチの穴:あなたなら入ってみる?

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新作紹介:マルコヴィッチの穴

2024/01/02

2024/03/08

80点

選択しない 


人は誰しも操り人形(?)

ネタバレ

 他人になりすますことの快感(?)を絵的にわかりやすく見せたユニークな脚本が評価されたのもよくわかる。
 夫婦関係と仕事に行き詰まっている男クレイグ(キューザック)が操り人形に入れ込む姿にすでにして他人に入り込むという欲望が強く現れていた。彼がオフィスにあの穴を見つけることになったのも必然であり、欲望の具現化だったのだろう。
 コメディとしての面白さと同時に人の脳内に他人が住み込むという設定にマインドコントロールをはじめとした怖さも同居していて、一見シュールなシナリオながらなかなか深みを感じさせるところがくせになる映画だ。
 本作でさんざん使い倒されている感じのマルコヴィッチだけど、最初はあくまでひっそりと地味に登場する。映画を引っ張っているのは欲望に駆り立てられているクレイグ役のキューザックの方だ。それが途中から主客転倒していく。終盤にはマルコヴィッチだらけになっている。ここまで使い回されれば本人も大満足であろう。

2023/02/21

2023/02/21

73点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


現実にある

人形師とその妻が会社の隠された穴に入る。
すると俳優ジョン・マルコヴィッチの視界が見えた。
調子に乗りすぎて人形師はその俳優をコントロールして支配する。

チャーリー・カウフマンの脳内シミュレーションはここから始まったんだっけか。
彼の頭の中もスタンリー・キューブリックと同じ世界にいそうだが、こちらは現実ファンタジーとコメディとを足し合わせたような感覚だ。

2022/10/06

2022/10/06

51点

選択しない 
字幕


潜在

不思議と心地良い。

2022/09/03

80点

VOD/U-NEXT 
字幕


マルコヴィッチの穴

ジョン・マルコヴィッチになれる穴という設定は奇想天外だけど、テーマにしているのは本当の自分って何だということ。ロッテはマルコヴィッチになることで自分の性の不一致に気付いてしまうし、マキシンは「ロッテがマルコヴィッチになった時」限定でマルコヴィッチに夢中になる。そして様々な人間がマルコヴィッチに入りこもうとするクライマックスは、自意識や欲望は様々な面を含んだ多面性のものということを示している。観る度に、新たな発見のある傑作ファンタジーコメディ映画です。

2021/07/27

2021/07/27

73点

レンタル/愛媛県/ゲオ/ゲオ今治鳥生店/DVD 
吹替


カバー写真がオチ

ネタバレ

私は未だかつてこの作品を上回る奇作をみたことがない。
ある事務所の隅にある穴と、ジョン・マルコヴィッチの頭脳が繋がっていて、その穴をくぐった者は誰でもマルコヴィッチの生活を体験できる。好奇心と背徳心が相まって、彼の頭の中に皆引き寄せられ、侵入していく。それぞれが様々な下心を抱き織りなすストーリーは奇想天外。あるものは性と自我に目覚め、あるものはショービジネスのビジネスチャンスと捉え、あるものは…
映画「転校生」のように、人が入れ替わり、その人の身体を支配してしまうのと違い、その人に憑依してその人自体を覗き見るという視点が面白い。男女の性、体と精神について考えさせられる。
ストーリーの佳境で、とうとうマルコヴィッチ本人が穴に入ったとき、映画のカバーのような全ての人がマルコヴィッチの顔になるというオチが待っている。正直言えば、ここで終わっていれば本作は最高なのにと、悔やまれる。

2021/07/08

2021/07/08

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


やっぱり好きだな

ネタバレ

今見ても、実に面白かった。前はいつ見たんだっけな、変な映画って思ったことは覚えてる。その後「エターナル・サンシャイン」のようなチャーリー・カウフマンが脚本を書いた映画を何本か見て、この「変さ」は監督というより脚本家が原因だと気付いた。スパイク・ジョーンズ監督はSF的世界が好きだけど、これほど「変」ではない。だって穴に入ったらジョン・マルコヴィッチになるんだよ??

71/2階はハリポタの93/4番線に似てる(どっちも変)。(私がいつもバスに乗る〇〇駅のスクランブル交差点の途中から仮設してある〇〇駅行乗り場も同じくらい唐突で気に入ってる)

人形遣いが操る、自分と妻にそっくりな人形は「アノマリサ」にも通じる。真面目にいうとマルコヴィッチの穴も人形遣いが人形になるようなもので、自分が自分でなかったらもっと仕事ができて女にもてたりして…という「if」のお話なんだよね。カウフマンって人は自我がばらばらになったりしないのか心配になるくらい、いろんな可能性をいつも考えてるのだ。(実は彼の映画は全部見ている)

でもなぜマルコヴィッチ?ジョージ・クルーニーでもブラピでもロバート・デニーロでもだめだ。有名過ぎず、こんな変な設定にあてはめても違和感がない俳優か。‥‥って前に見たときも思ったっけな。

穴に入るほうの人形遣いをジョン・キューザックがやるのはとってもハマリ役だと思うし、意外と何にでも出るキャメロン・ディアスも良いと思う。 

…改めて、この設定って高尚な未来SFを作ることもできたと思うけど、めちゃくちゃ卑近で安っぽい感じに(リアリティのない怪しいビルの片隅で、闇でお金をとってマルコビッチ体験をさせるっていう)発展させて、同性愛の女性同士だけがハッピーになるっていうデタラメな(っぽい、ということです、ほめてます)結末なんかにしたりして、やっぱり面白いのはチャーリー・カウフマンだな。「アノマリサ」以来もう6年も映画化されてないみたいだけど、その後どんな脚本を書いているのやら…。