硫黄島からの手紙

いおうじまからのてがみ|Letters from Iwo Jima|Letters from Iwo Jima

硫黄島からの手紙

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レビューの数

115

平均評点

76.0(1057人)

観たひと

2051

観たいひと

139

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 アメリカ
製作年 2006
公開年月日 2006/12/9
上映時間 141分
製作会社 マルパソ・アンブリン・エンタテインメント
配給 ワーナー・ブラザース
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演渡辺謙 General Tadamichi Kuribayashi
二宮和也 Saigo
伊原剛志 Baron Nishi
加瀬亮 Shimizu
中村獅童 Lieutenant Ito
裕木奈江 Hanako

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

硫黄島の激戦を戦う日本兵たちの姿を描いた戦争人間ドラマ。同じ戦闘をアメリカ軍の側から描いた「父親たちの星条旗」と共に“硫黄島二部作”となる。監督は「父親たちの星条旗」と同じくクリント・イーストウッド。キャストは「ラストサムライ」の渡辺謙、「青の炎」の二宮和也、「半落ち」の伊原剛志、「パッチギ!」の加瀬亮、「男たちの大和/YAMATO」の中村獅童。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

2006年、硫黄島。地中から数百通もの手紙が発見された。それはかつてこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった……。戦況が悪化の一途を辿る1944年6月。陸軍中将・栗林忠道(渡辺謙)が硫黄島に指揮官としてやってきた。アメリカ留学の経験を持つ栗林の、常識に捉われないやり方は古参の将校たちの反発を呼ぶ。栗林の防衛戦略は、島中にトンネルを張り巡らし、地下要塞を作り上げるというものだった。1945年2月19日、ついにアメリカ軍が上陸する。戦いは36日間にも及ぶ激戦となった。徐々に退却を強いられていく日本軍。玉砕を求める部下に、栗林は最後まで戦いぬけと命令した。妻子を国に残してきたパン職人の西郷(二宮和也)は、憲兵隊のスパイかと疑っていた清水(加瀬亮)と共に、自決を命じる上官のもとから逃げ出した。実は清水は本国で問題を起こして憲兵隊を追放された男だった。やがて二人は軍人らしく玉砕を貫こうとする伊藤中尉(中村獅童)に出会い、処刑されそうになる。それを助けたのは他ならぬ栗林だった。しかし、やがて脱走した清水はアメリカ兵に殺されてしまう。状況は切迫し、伊藤を中心とした栗林に反発する者たちが勝手な行動を取り始めた。そんな中、栗林の数少ない理解者である西中佐(伊原剛志)も命を落としていく。進退窮まった栗林は、ついにアメリカ軍に最終攻撃をかけた。撃たれ、倒れていく兵士たち。激戦の中、栗林も瀕死の重傷を負う。そんな栗林のもとに西郷がやってきた。自分が死んだら埋めてくれと言い残し、自決する栗林。その遺体を埋めた西郷のまわりをアメリカ兵が取り囲む。そのうちのひとりが栗林の拳銃をベルトに挟んでいるのを見た時、西郷は突然狂ったようにシャベルを振り回し始めた。アメリカ兵に取り押さえられる西郷。激戦の数少ない生き残りとして担架に乗せられた西郷が見たのは硫黄島の海に沈む赤い夕陽だった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年5月上旬号

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2007年3月上旬号

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2006年12月下旬号

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2006年9月上旬号

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詳報 「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」:製作報告会見ルポ

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2006年6月上旬号

HOT SHOTS:「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」

2023/12/04

2023/12/04

77点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


死ぬのはかなしい

しみじみとした演出が良かった。

2023/10/28

2023/10/28

60点

テレビ/有料放送/WOWOW 


日本映画とはちと違う

モノクロみたいな色使い

日本人原作の太平洋戦争のアメリカ映画って無い

2006/12/23

2023/04/21

65点

映画館 


硫黄島からの手紙

疲れる映画。

2006/12/22

2023/02/24

80点

映画館 


外国人による日本語映画に全く異和感なし

 硫黄島での戦いを日米双方の視点から描いた2部作の「父親たちの星条旗」に続く第2弾です。今回は、当初たった一週間で勝敗が決まるといわれていた硫黄島で、36日間も戦い続けた日本軍の指揮官、栗林忠道中将が家族に宛てた手紙をまとめた『「玉砕総指揮官」の絵手紙』を基に映画の原案が作られました。

 映画は戦いから60年が経ち、硫黄島を訪れた調査団が地中から何百という数の手紙を発見するところから始まり、すぐに映像は1944年へと遡って行きます。今回は勝利した米軍と違い、生き残りはほとんどいない日本軍を描いているので、証言者は残された手紙ということになります。つまり手紙が語り部ということなので、前回うるさく感じたナレーションがなく、時間軸も「硫黄島の戦い」一つに集中しているので、全体的にわかりやすい構成になっています。

 日本軍の最後の砦とも言える硫黄島で米軍を迎え撃つ準備をする日本軍。西郷(二宮)ら新兵たちは灼熱の太陽の下で砂浜に穴を掘る作業を続けていました。思わず口に出た愚痴が上官の耳に届き、理不尽な体罰を受ける新兵たち。そこに現れたのは、新しく赴任して来た栗林中将(渡辺)でした。アメリカ留学の経験を持つ彼は、無意味な精神論が幅を利かせる軍の体質を改め、合理的な考えのもと、今までとは全く違った作戦を考え出します。死ぬとわかっている辛い任務に絶望を感じていた西郷らは、栗林の進歩的な考え方にかすかな希望を見出すのでした。

 前作の「父親たちの星条旗」の最初のクライマックスは米軍の硫黄島上陸場面でしたが、その時の日本軍は姿の見えない無気味な存在として登場していました。今回はその日本の兵隊が生きた存在として描かれています。日本の指揮官が海外での生活体験も長い親米家で、家族思いの父親でもあったこと、兵士の中にはオリンピックで乗馬の金メダルを取った国際人もいたこと、そして兵士一人一人も大切な家族に別れを告げて戦地に赴いたこと等など。

 そんな中で特に印象深かったのは、元憲兵の青年(加瀬)と軍の近代化を推し進める栗林中将に反発する青年(中村)との対比でした。犬も殺せない優しい青年と、最後まで玉砕を叫ぶ軍国青年、対照的な2人ののもろさが良く出ており、戦争の不条理がリアルに伝わって来ました。

 また、当時の日本庶民が貧しいなか、お上からの命令で財産を取り上げられ、戦争に駆り立てられたかが、よく描かれていました。元憲兵の青年の言う「犬が悪いのではない(全ては戦争のせい)」という言葉が印象に残ります。日本刀による断首が名誉な死に方であること、多くの兵隊が靖国で会おうと誓って死んで行った事に理解を示しているのを見て、「良く勉強しているなあ」と内心驚きましたし、前作で起こったさまざまな出来事の答とも言える箇所が随所に見られ、その絶妙なバランス感覚にも感心した次第です。

 なお、この戦いで日本軍は壊滅的敗北を喫したわけですが、全員が死んだわけではありません。果たしてどの兵士が生き残れることが出来たのか、ハラハラしながらご覧になってみてください。全体的に殆どが戦争場面なだけに、物語の悲劇性がストレートに出ていて、ちょっと不謹慎な言い方かも知れませんが、戦争映画としては大変面白い作品となっています。

(2006/12/22 記)

2006/12/28

2023/02/12

80点

映画館/神奈川県/ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野 
字幕


敵国の兵士は自分達と同様(公開時に書いた感想)

この映画はアメリカ映画なので、
自国にとっての敵国(少なくとも異民族)の人々を、
自分たちと同様の普通の人間として描いているところに、
過去のアメリカだけでなく、
他国に対する怒りを抑えられずにエスカレートさせて悲劇的な結果へと向かいがちな現在のあらゆる国にとっても意味のある内容になっている。

(以上、劇場公開時に書いた感想)

2023/01/14

2023/01/14

93点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/スマホ 
字幕


第二次世界大戦の映画を観るなら、何が良いかと問われたら「ビルマの竪琴」「戦場のメリークリスマス」そして、本作だと私は答える。そして、これがかつて敵国だったアメリカ側で作られたのが信じられないぐらいに、日本人心情に沿った内容なのが考えさせられる。
あと、注目すべきは俳優陣の名演技である。なかでもアイドルグループ嵐の二宮は、今まで興味がなかったが、本作を通じてその演技の素晴らしさに注目するようになった。まさにハマり役である。