名作の誉れ高いがあらすじを読んで面白さが感じられなかったのは『七人の侍』と同じ。皆さんのレビューを拝見すると“娯楽映画”との文言が目につく。「シリアスな戦争映画ではないのだ」との予備知識を得て鑑賞に至る。
「何か緩い捕虜収容所だなあ」「ドイツ兵の描き方ってこれで良いのかしら」「トンネルを一本見付けたら他にもないかと考えないの?」などと思いながら見進める。
戦場の最前線にいる訳でもなく日常的に看守から虐待を受けている訳でもないのに脱走に固執する動機が今ひとつピンと来ない。しかし、実際の脱走シーンと各自の逃避行の時間帯はハラハラドキドキさせられたし面白いのは間違いない。
戦争映画としては最近観た『フューリー』『ブラックホーク・ダウン』に比べると確かに長閑ささえ感じる仕上がり。ただ、概ね実話らしいのでストーリーに文句を付ける筋合いではないだろう。皆さんのようにリアルタイムでの衝撃を持ち合わせていない私には見どころが把握し辛い側面はあった。