ラスト・ショー

らすとしょー|The Last Picture Show|The Last Picture Show

ラスト・ショー

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レビューの数

38

平均評点

73.4(187人)

観たひと

295

観たいひと

27

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 青春 / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1971
公開年月日 1972/7/20
上映時間 126分
製作会社 BBSプロダクション作品
配給 コロムビア
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

テキサスのある小さな町を舞台に、多感な青春の夢とその終わりを主題として、アメリカという国の失われた夢の終わりをも描き出す。音楽は1951年から52年にかけて流行したハンク・ウィリアムス、エディ・アーノルドなどのヒット曲を30枚のレコードから選出した。製作指揮はバート・シュナイダー、製作はスティーブン・フリードマン、監督はピーター・ボグダノヴィッチ、ラリー・マクマートリーの原作をマクマートリー自身とボグダノヴィッチが脚色した。撮影はロバート・サーティーズ、編集はドン・キャンバーンが各々担当。出演はティモシー・ボトムズ、ジェフ・ブリッジス、シビル・シェパード、ベン・ジョンソン、クロリス・リーチマン、エレン・バースティン、アイリーン・ブレナンなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1951年、テキサスの小さな町アナリーンのたったひとつの映画館では「花嫁の父」を上映していた。高校生のソニー(ティモシー・ボトムズ)と親友デュアン(ジェフ・ブリッジス)にとって、ロイヤル映画館は唯一のデートの場所だった。ソニーはガールフレンドのシャーリーンとつきあい始めて1年目を迎えたが、最後のところで逃げてしまう彼女に不満を持っていた。デュアンとジェイシー(シビル・シェパード)も恋人同士だったが、町一番の美人といわれるジェイシーにとってデュアンはどこか物足りない相手だった。ある日、フットボールのコーチに、彼の妻ルース(クロリス・リーチマン)を、病院まで送り迎えするように頼まれたソニーは、ルースの心の優しさに惹かれた。そしてクリスマス・パーティーで初めて口づけを交わしてしまう。ジェイシーもまたデュアンと共にパーティーにでかけてきたが、友だちが〈素っ裸の水泳パーティー〉を楽しんでいると聞いて、デュアンを放り出し、その方に行ってしまう。その頃、ソニーもルースとベッドを共にしていた。夫に無視され続けてきたルースは、少女のように恋に燃えていた。一方、ソニーは父親以上に尊敬しているサム(ベン・ションソン)と、弟のように可愛がっているビリー(サム・ボトムズ)と一緒に湖畔で釣りを楽しみながら、サムの昔話に耳を傾けていた。サムはこの小さな町で映画館とビリヤード場とスナックを経営する中年男だった。失われたアメリカの開拓時代の夢の名残りを思わせるこの男に、ソニーばかりか、町中の男の子が憧れていた。サムは、少年たちの夢のヒーロー、カウボーイだったのだから……。サムはソニーに、昔、彼が経験した悲しい恋の物語と、移り変わっていく自分たちの町の話を聞かせたのだった。それから数日後、小型トラックでメキシコまででかけたソニーとデュアンが町に帰ってきたとき、サムの死が知らされた。ソニーとデュアンの友情に亀裂が生じたのは、それからしばらくしてだった。デュアンは、処女を捧げるというジェイシーと結ばれたが、彼女はそのことによって徹底的にデュアンを嫌いになってしまい、更にその上、ソニーとジェイシーがお互いに好意を持ち始めてしまったのだ。ソニーとデュアンはなぐり合いをして、血だらけになったソニーは入院した。傷のいえたソニーはジェイシーから求婚され、かけおちしようとハイウェイをとばしたが、パトカーに捕まってしまい、ジェイシーの気が変わってしまった。ソニーは彼女の求婚が気まぐれにすぎなかったことを知った。2人を引き取りにきたジェイシーの母ルイス(エレン・バースティン)と言葉を交すうちに、ソニーは、彼女と亡きサムの若き日の愛の世界を垣間見るのだった。デュアンは町を出る決心をした。朝鮮戦争へ出征するという彼とソニーは一緒にロイヤル劇場の閉館上映を見にでかけた。デュアンをバス停留所で見送ったソニーがビリヤード場に戻ったとき、ビリーが路上でひき殺されていた。悲しみにくれたソニーが行き着いたのはルースの所だった。彼女は自分を棄てたソニーに向かって怒りを投げつけたが、その怒りの声はいつしか泣き声に変わり、彼女の手は静かにソニーの手の上に置かれていた。1952年ロイヤル劇場が閉館の夜に上映したのは「赤い河」だった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年4月上旬号

追悼 ピーター・ボグダノヴィッチ:「ラスト・ショー」の想い出

1973年2月上旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:ラスト・ショー/フェリーニのローマ/死刑台のメロディ/わらの犬/真夜中のパーティー/ジュニア・ボナー・華麗なる挑戦/ゴッドファーザー/キャバレー/フレンチ・コネクション

1972年9月下旬号

今号の問題作:ラスト・ショー

1972年8月下旬号

DISK ラスト・ショーの音楽:

1972年8月上旬号

外国映画紹介:ラスト・ショー

1972年7月上旬夏の特別号

特別グラビア:ボグダノビッチの「ラスト・ショー」

特集 ボグダノビッチと「ラスト・ショー」:1 ある至福の時の終り

特集 ボグダノビッチと「ラスト・ショー」:2 作家的体質の研究

特集 ボグダノビッチと「ラスト・ショー」:シナリオ

1972年6月上旬号

キネ旬試写室:ラスト・ショー

1972年4月上旬春の特別号

グラビア:P・ボグダノビッチ/ラスト・ショー

2024/06/06

2024/06/07

90点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


何もかもが寂しくやるせない

久しぶりに観た。初見は今はなき梅田の大毎地下劇場。
当時は主人公たちと同じく高校生だったが今やサム・ザ・ライオン世代。舞台となった50年代はアメリカの景気はそれほど悪い印象がないのだがテキサスの小さな町は事情が違うのだろう。とにかく出てくる人たち、映し出される風景、描かれる物語、何もかもが寂しくやるせない。辛そうな顔ではなくニコリとほほ笑む、その表情がなんとも切ない。

2021/12/27

2021/12/27

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


高校生時代で名画座みした。久しぶりに観ました ピーター・ボグダノヴィッチ 最高作品です

2021/08/28

2021/08/28

-点

レンタル/北海道/TSUTAYA/サンホームビデオ 江別店/DVD 
字幕


退廃的なところが今の日本のようだ

退廃的な感じがよく出てた、若者も大人も町じたいも。
朝鮮戦争頃のアメリカだが、今の日本の地方もこんなんなのかなと。
前半退屈したが、途中からいろいろ起きる。
空気感といい悪くない。

2021/05/20

2021/05/20

65点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


男を惑わす女

テキサスの田舎町の高校生達の恋とセックスへのアバンチュールを描いた作品。クラスでも人気者のジェイシー(シビル・シェパード)は純情であるが、セックスへの興味は持っている。そして恋人との結婚を反対されると次々に男に接近するが、最後のところで思いとどまる。おしまいには親友のソニー(ティモシー・ボトムズ)とデュアン(ジェフ・ブリッジス)が彼女を巡って対立するが、結局はその女は都会へ出て行き戻ってこない。
人妻との不倫や、食堂などの経営者ライオンサムの死、ちょっと頭の弱いビリーの不慮の死など、彼等の青春も終わりを迎えていく。
時代設定は朝鮮戦争当時であるが、作られたのは1971年と新しいのでセックスシーンなども大胆に扱っている。アメリカの高校生の話なので、イマイチ気が入らないし、共感も少なかった。

2021/03/20

2021/03/20

78点

その他/TSUTAYA DICSCAS 
字幕


高校三年生

1950年頃のテキサスの小さな町に住む、高校三年生の青春のあがきを描く。少年たちの恋のさや当てや少女のバージンの捨て方など性の悩みころでもある。
タイトルのラスト・ショーの意味は深い。一番分かりやすいのは、エンディングで現れる唯一の劇場の閉鎖に伴う最後の上映。
少年たちがあこがれる、ビリヤード場経営のサムの死亡。いかにもテキサス人らしい、カーボーイ然とした男が去っていく。またアメリカ自体も朝鮮戦争を契機として、次の時代に移ろうとしている。結構深い映画なのでしょう。だからキネ旬の一位を獲得したのでしょう。

2008年

2020/06/18

80点

選択しない 

テキサスの小さな田舎町を舞台に、1951年当時の青春群像を
閉塞感に充ちた乾いた描写で巧みに表現しています。
「ペーパームーン」同様、この監督はモノクロでの表現が巧いですねえ。
一つの時代の終焉を田舎町の窮屈で閉鎖的な人間関係と重ね合わせて描いて
いるんですけれども、退廃的な場面が多いわけですから、普通であれば息苦しく
なってしまうところを、当時流行したヒット曲を有効的に使って、郷愁を呼び起こし
ながら、ほんのちょっぴりですが、明るい明日も見えるようにしているんで最後まで
感傷的な気分になりながらも、余裕を持って心地よい余韻を持って鑑賞することが
できました。こういう悶々とした青春物語も味があっていいと思います。

街にたったひとつのロイヤル映画館は高校生のソニー(ティモシー・ボトムズ)と
親友デュアン(ジェフ・ブリッジス)には打ってつけのデート場所。この日もそれぞれの
カップルでデートするんですが、映画館を出た後でソニーは、最後まで迫ろうとして
あっさりと拒絶されてしまい別れる羽目に。
一方、デュアンとジェイシー(シビル・シェパード)もうまくいっているようなんですが、
町一番の美人ジェイシーはデュアンよりも、いい男を見つけようとあちらこちらに
目移り。ある日、ソニーはふとしたことからフットボールコーチの妻ルース
(クロリス・リーチマン)と不倫関係に陥ってしまいます。
そんな折、ソニーに色目を使い出したジェイシー。そのことを知ったデュアンは
ソニーを殴り倒して仲違いしてしまうんですが、あるとき、町を出て兵隊として
朝鮮戦争へ行くことになったデュアンのもとにソニーが訪れると、自然といつものように
親友の会話になります。
二人は閉館が決まったロイヤル劇場の最後の上映、そうラストショーを見に出かけます。
ラストショーは「赤い河」 ジョン・ウェイン主演の西部劇が寂しくエンディングを迎えます。

この作品の見所の一つは絶妙のキャスティングだと思うんです。ソニー役の
ティモシー・ボトムズは「ジョニーは戦場へ行った」のまま、普通の青年を普通に
演じていますし、デュアン約のジェフ・ブリッジスもやり場のないエネルギーを
どうすることもできず、悶々と日々を過ごすという青年によくありがちな心情を自然に
表現しています。
ジェイシー役、シビル・シェパードはタクシードライバーで魅せたセクシーな秘書役が
印象に残りますがここでは、大人になる前の微妙な時間を可憐な雰囲気で瑞々しく
演じてくれています。
脇を固めるベン・ジョンソンの相変わらずの存在感は、作品全体に重石のように
効いています。

決して華やかさはないのですが、田舎の高校生が経験するちょっぴり大人びた青春の
日々に少なからずシンパシーを覚え、わたしなど中年の身にとっては過ぎ去りし日に
経験した淡く仄かな恋心を想いださせてくれる懐かしい匂いのする秀作であると思います。