ぜんぶ、ボクのせい

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ぜんぶ、ボクのせい

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レビューの数

25

平均評点

68.3(90人)

観たひと

128

観たいひと

15

(C)2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 2022
公開年月日 2022/8/11
上映時間 121分
製作会社 スタイルジャム=クロックワークス=ビターズ・エンド=グラスゴー15=ミッドシップ=コンテンツ・ポテンシャル(制作プロダクション:スタイルジャム)
配給 ビターズ・エンド
レイティング PG-12
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督松本優作 
脚本松本優作 
製作甲斐真樹 
藤本款 
定井勇二 
前信介 
鈴木仁 
水戸部晃 
プロデューサー甲斐真樹 
撮影今井孝博 
美術仲前智治 
音楽プロデューサー田井モトヨシ 
エンディング・テーマ大滝詠一
(「夢で逢えたら」 (NIAGARA RECORDS))
録音高田伸也 
照明金子康博 
編集田巻源太 
衣裳篠塚奈美 
馬場恭子 
ヘアメイク山井優 
アソシエイトプロデューサー永井拓郎 
ラインプロデューサー中島裕作 
制作担当中村哲也 
助監督野本史生 
スチール久保田智 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演白鳥晴都 松下優太
川島鈴遥 杉村詩織
松本まりか 松下梨花
若葉竜也 山崎重之
仲野太賀 片岡
片岡礼子 中川千里
木竜麻生 宮本由美香
駿河太郎 白石凌
オダギリジョー 坂本健二

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「Noise(2018)」が国内外の映画祭で話題を呼んだ松本優作監督によるヒューマンドラマ。児童養護施設で母の迎えを待ちながら暮らす優太。ある日、偶然母の居所を知り、会いたい一心で施設を抜け出すが、母は同居する男に依存しながら自堕落な生活を送っていた……。優太を演じるのは、オーディションで抜擢された15歳の新人・白鳥晴都。共演は「ある船頭の話」の川島鈴遥、「アジアの天使」のオダギリジョー。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

児童養護施設で暮らす13歳の中学生・松下優太(白鳥晴都)は、施設でも学校でもいじめられ、いつも一人ぼっち。彼を理解してくれる大人もひとりもいない。母・梨花(松本まりか)が迎えに来てくれることだけを心の支えに日々を過ごしているが、一向に現れず不安は募るばかりだ。そんなある日、偶然母の居場所を知った優太は、会いたい一心で施設を抜け出す。母の住むアパートを訪ね、ようやく2人は再会するが、母は同居する男・山崎(若葉竜也)に依存し自堕落な生活を送っていた。そして優太に施設へ戻ってほしいと頼むのだった。絶望した優太は、施設職員の追手を逃れ、当てもなく辿り着いた海辺で、軽トラで暮らすホームレスの男・坂本(オダギリジョー)と出会う。何も聞かず自分を受け入れてくれる坂本と一緒に、わずかな金銭を稼ぎながら寝食をともに過ごす優太。やがて、坂本の元を訪れる少女・詩織(川島鈴遥)とも顔見知りになる。詩織は、近くの高級住宅地に住み裕福な家庭に育つも、誰にも言えない苦しみを抱え、空虚感を埋めるかのように援助交際をしていた。寂しさを抱えながらも心優しい詩織に惹かれていく優太は、自由気ままに生きる坂本をいつしか会ったことのない父親の姿と重ね合わせるようになる。軽トラの修理が終わったら、坂本と名古屋に行くことを約束する優太。だが、そんな穏やかな日々もある事件によって終わりを告げる……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年8月下旬号

グラビアインタビュー オダギリジョー&松本優作「ぜんぶ、ボクのせい」:

UPCOMING 新作紹介:「ぜんぶ、ボクのせい」

2024/01/09

2024/02/04

70点

テレビ/有料放送/WOWOW 


内向的な少年だったら、あんなことを言ってしまうだろうな

五歳の頃から児童養護施設にいる少年が、内気で友達もできないまま中学生になって、母親が迎えに来る日を心待ちにしていたら、一向に音沙汰がないので、思いあまって書類を盗み見して住所を調べて、施設を飛び出して母親の住む家に行くけど、母親は喜んでくれたけど男と住んでいて、ちょっと面倒臭そうな様子にショックを受けてそこを飛び出してフラフラしていたら、故障した車にそのまま寝泊まりしている男と出会い、その男の世話になっていく内に、その男が父親のように思えてきて、その男に会いに来る女子高生とも仲良くなって、始めて幸せと思える日々を過ごすけど、それはずっと続くわけではなかった、というお話しで、内向的な少年だったら、あのような行動に出て、あんなことを言ってしまうだろうな、と思わせるヘンなリアルさがあるのが、なんだかコワいような感じがありましたね。

2023/11/18

2023/11/18

49点

テレビ/有料放送/WOWOW 

ネグレクトとか毒親映画として検索すると出てきた作品だったので、普通に、松本まりか演じる母親と、子供との間の親子関係に焦点をあて、タイトルも、母親に愛されない自分を責める主人公の心情か何かを表している作品なのかと思っていたので、途中から全く様相が変わってきて、イメージと全然違う映画だったので拍子抜けした。
松本まりか演じる自堕落で無責任な母親は、冒頭のほうにしか出てこない。
母親に会いに行ったのに疎まれて、全てから逃げ出した少年が、同じような傷を抱えたオダギリジョーと出会うところからがむしろ本編だ。
個人的にはそこの2人のルール違反で成り立つ様な親子っぽい関係も、途中から出てくるありふれたような家庭の悩みで反抗したりパパ活したりするような思春期拗らせまくりの少女との関係性も、この手の映画にありがちな設定であまり好みではなかった。
普通に親と子の関係性を見たかったので、そこから逃げて、同じような傷を舐め合い、最後には起きた事故を憂いて自暴自棄になって自分の責任だと言ってしまうような、よくわからないラストはなんだかなあという感じ。
あくまで個人的に、好みの作品ではなかった。

2023/10/14

2023/10/14

70点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


少々

少々現実感は無いものの、親に恵まれないという意味では似たような子供はいっぱいいるんだろうな。オダギリジョー演じるおっちゃんがいい味が出てて良かったです。

2023/09/01

2023/09/01

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 


白鳥晴都、将来楽しみな役者

ネタバレ

備忘メモ:
ラストの彼の目を撮りたくて作った作品かと思ってしまった。また一人、社会が悪魔を生んでしまった瞬間。彼の上目遣いの大きな眼には未だ幼いながらも狂気が宿っていた。それまでは、やや遠目で彼の眼差しを撮っており、その時は未だ狂気が潜んでいた感じだったが、それが開花した瞬間だった。ラスト直前、彼は目を伏せていた。「さぁ、視線を上げるのかぁ?」と期待して観ていると、「やってくれましたぁ!」という瞬間だった。先ずは、画面左上の刑事側に視線を向け、その後一瞬カメラ目線になる、ん?もしかして、一瞬、白鳥晴都の素に戻ったかな?と感じたが、次に右側に視線を移す。その素人っぽさが、また許せてしまう。劇中、彼はハニカミも表現する、その時は目を薄く閉じる様な感じだ。そう、その目に惹かれてしまった。「誰も知らない」の柳楽優弥の目も良かったなぁ。まぁ、柳楽優弥の方が大物感が漂っていたけど。白鳥晴都は端正な顔立ちで繊細な表現の出来る役者だけど、サイコパスなんかも演じられるだろうなぁ、将来。
「火は自分の心を映し出す」良い言葉だ、今度ローソクの灯を暫く眺めてみよう。
オダギリジョーは良い味出してるなぁ、自由な生き方、ちょっと悪い事するけど「貧乏人が貧乏人を騙してどうするんだよ」という感じが憎めない。彼も、母から「お前が悪いんだよ」と虐待を受けていた。「人間が唯一選択出来るのは、死ぬこと。でも、いつ死んでいいって訳ではない。その時が来たら、死ぬことを選べる」が死生観だ。最近、私も死生観について考える。死にたいからでは無い。還暦を迎え、だからこそ、生きたい(活きたい)からだ。
物語としては、キャラクター設定が多少在り来たりだと感じた。それが、優太とオダギリジョーと仲良くなる少女。父への反発(母が自殺した、と疑っており、それが父のせいだと疑っている)から陰で援助交際をしている。私には短絡的に感じてしまった、よくある設定というか。
母親像も、まぁ、あるあるですね、こちらは、こうしか描けなかったかな、、、結構いそうだし、こうやって施設に預けられる子供が。先ずは、それを何とかしてあげたいなぁ。でも、そんな上から目線では救えないんだよなぁ、きっと。そっと時々寄り添って、時間をかけて打ち解けていくのが良いのかなぁ。
仲野太賀も、ちょっと世捨て感があって、良かったなぁ。

2023/07/15

2023/07/16

76点

その他/ホームシアター 


衝撃的なラストシーン

母親に棄てられた少年(白鳥晴都)が、トラックの中で寝起きするホームレスのような得体の知れない男(オダギリジョー)と知り合い、彼と奇妙な共同生活をするようになる。男に親近感を抱く女子高生(川島鈴遥)は、家族に距離感を感じて、トラック住まいの二人のところを頻繁に訪れるようになる。
三人は言ってみれば寄る辺のない者たちである。その寄る辺なき者たちが、似た者同士で寄り合い、束の間のユートピアを形成する。浜辺で寄り添う少年と女子高生の姿は美しい。しかし、そのユートピアは長く続かず、外部からの力で突然終わりを迎える。
そして、最後の取調室のシーン。少年が呟くように答える「世の中の悪いこと、ぜんぶ、ボクのせい」という台詞には、突然疑似家族を失った少年の絶望が滲み出る。いや、君のせいじゃないと思うが、彼の言葉は全てを拒否しているかのようだ。この絶望的なラストシーンに続いて、エンディング曲の「夢で逢えたら」が流れてくる。いやー、すごい終わり方だと思う。心にずっしり重いものが残る。
オダギリジョーが素晴らしい。彼の登場で、映画のトーンが一変する。白鳥晴都、川島鈴遥という二人の新人俳優も素晴らしい。白鳥君は、しっかりとした演技で映画を支えた。川島さんは、「ある船頭の話」のヒロイン役だったそうだ。あの役も良かったが、こちらもいい。要注目の女優さんだ。
脇を固める仲野太賀、松本まりか、若葉竜也、片岡礼子、木竜麻生も、それぞれに物語の中でしっかり生きている。松本優作監督の力量を見た。

2023/04/06

2023/04/10

65点

レンタル 


カップ麺は便利だけど、毎日では…。

ネタバレ

松本優作監督のオリジナル脚本で、商業映画デビュー作。
次作の「Winny」でも共同脚本で、一から映画を組み立てようとする気概が感じられて好感を持つ。

児童養護施設で暮らす13歳の中学生の優太(白鳥晴都)は、学校ではイジメられ、施設でもなじめず
孤立している。新任の職員の宮本は、そんな優太を気にかけているが、彼の殻を破ることは出来ない。
ある夜、トイレに行った彼は、職員の机から入所者の住所録を見てしまった。彼を迎えに来ようとしない
母親の住所を知り、職員の財布から金を盗み出して、脱出する。
母親は自堕落な生活ぶりで、とても優太と暮らす気はなさそう。男がいて、優太の出現には驚く。セックス
で結ばれた大人たちに、優太の居場所はなかった。施設から迎えに来た宮本に、優太を押しつけて男との
生活を優先する。ベタな演出だけれど、優太が母親を求める気持ちは切ない。

優太は行き場所がなかったが、海岸沿いで軽トラを住いにしているホームレスの男(オダギリジョー)と
生活をともにする。男が描いた絵を優太が気に入ったからだ。男は廃家電を探してきて、リサイクル店に
売る最底辺の生活。そんな男にも味方がいた。裕福な家庭の女子高生の詩織(川島鈴遥)だった。
詩織は母親を早く亡くしている。病死という話に疑いを持つ屈折した心情の持ち主でもある。空虚さを
援助交際という現実の悪さで埋めている。この本の欠点は安易な援助交際の採用ではないか。

軽トラにイタズラ書きする不良少年たちがいる。他者をいたぶることしかしない彼らのイタズラはエスカレート
する。ついに軽トラの幌に火をつける。ホームレス男は焼死。しかし警察に取り調べられたのは、一緒に
生活していた優太だった。警察の取り調に「ぜんぶ、ボクのせい」と容認の言葉をしぼり出す…。

話自体は、日本映画にありがちな愛情に見放された子供の成長物語なのだが、主演の白鳥晴都と
川島鈴遥を実に上手くリードした。「Winny」では、東出昌大と三浦貴大を一枚脱皮させた演出力も評価
できる。今後も注目の若手映画監督だ。