第二次大戦中のイタリア。ローマは連日大空襲をうけていた。夫を亡くし女手一つで食料品店を経営するチェジラ(ソフィア・ローレン)は娘のロゼッタ(エレオノーラ・ブラウン)を連れ故郷の田舎へ疎開しようと決心した。夫の友人で石炭屋をしているジョヴァンニ(ラフ・ヴァローネ)に店の管理を頼もうと出かけるが、彼に愛を告白され、その逞しい体に押倒された。翌日、チェジラはロゼッタを連れ故郷の村に着いたが、すでに疎開者がたくさん来ていた。そんな中の一人ミケーレ青年(ジャン・ポール・ベルモンド)は何かとこの母娘に気を配ってくれた。ロゼッタはいつしか彼を慕うようになったが乙女心の敏感さで、彼が母を愛していることを知っていた。ある日、独軍占領下のこの村に英国兵が潜入、にわかに周囲が波立ち始めた。ムッソリーニ監禁の報が入り、敗残のドイツ兵が姿を見せだした。ミケーレはそのドイツ兵に道案内として拉致されていった。間もなく米軍が戦車を連ねて進駐してきた。戦争は終りだ--チェジラはロゼッタを連れローマへの帰途についた。弱い娘をかばい徒歩で行くチェジラ。母娘は戦火で廃墟と化した教会を見つけ、しばしの休息をとろうと眠りについた。ざわめきとともに北アフリカ植民地兵の一団が入ってきた。彼らは喚声をあげて母娘に襲いかかった。失神からさめたチェジラはボロボロになった自分の服に気づいたが、片隅ではロゼッタが太腿もあらわに仰向いていた。夢遊病者のような娘を助けながらチェジラは通りかかったトラックにのせてもらい、その夜は運転手の若者(レナート・サルヴァトーリ)の家に泊まった。深夜、チェジラはロゼッタが若者と戦勝祝賀パーティにいったこと、ミケーレが死体となって発見されたことを知った。夜明けごろ、ロゼッタが帰ってきた。母は娘をなじったが、娘は感情をなくしてしまったのか平然としていた。が、ミケーレの死を聞くとロゼッタは激しく泣き出した。母娘はいつまでも抱き合っていた。