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おとし穴(1962)

  • おとしあな
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  • 平均評点

    72.4点(72人)

  • 観たひと

    108

  • 観たいひと

    13

  • レビューの数

    16

基本情報

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/7/1
上映時間 95分
製作会社 勅使河原プロ
配給
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダ-ド
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督勅使河原宏 
脚本安部公房 
原作安部公房 
製作大野忠 
撮影瀬川浩 
美術山崎正夫 
音楽一柳慧 
録音奥山重之助 
照明久米光男 
編集守随房子 

キャスト

出演井川比佐志 坑夫
宮原カズオ 坑夫の息子
大宮貫一 坑夫の仲間
田中邦衛 
井川比佐志 第二組合長
矢野宣 第一組合・副組合長
佐々木すみ江 駄菓子屋の女
松尾茂 百姓
観世栄夫 巡査
佐藤慶 記者
金内喜久夫 カメラマン
松本平九郎 労働下宿の主人
奈良あけみ そのおかみ
島田屯 幽霊の見知らぬ男
袋正 第二組合員
九州朝日放送劇団 

解説

安部公房と初めて組んだ勅使河原宏の初長編監督作であり、勅使河原プロダクションの第1回作品。昭和35年の芸術祭奨励賞を得た安部公房作・脚本のテレビドラマ『煉獄』を、安部自らが映画のシナリオに書き改めた。北九州の炭鉱地帯で大掛かりなロケが行われ、炭鉱労働争議を遠景に、生活と貧困、生と死が前衛的かつシュールに描かれる。炭鉱から逃げ出した男と瓜二つの組合長の二役を井川比佐志、打ち捨てられた町で駄菓子屋を営む女に佐々木すみ江、白いスーツの謎の殺し屋に田中邦衛、事件を追う新聞記者に佐藤慶。それらを見ている亡霊に島田屯など。武満徹、高橋悠治、一柳慧によるプリペアド・ピアノとチェンバロの不協和音が不穏な空気を醸し出し、映画全体が白昼の悪夢のように光輝く。

あらすじ

不況の北九州炭鉱地帯。人間の住まなくなった長屋の裏のボタ山では、主人を失った野良犬が吠えていた。ボタ山の下には、ドロドロした陥没湖があった。ある夏、一日のうちにこのドロ沼で三つの殺人事件が続いて起った。第一の殺人被害者はヤマを逃げ出した炭坑夫。小さなヤマを渡り歩いた末に食えなくなった炭坑夫は、息子と仲間三人で人の好い百姓をだましメシにありついた。炭坑夫を追ってカメラを盗み撮りする白手袋の無気味な男がいる。この男はいつもスクーターに乗ってやって来た。三人は港湾都市にたどり着き「労働下宿」にころがりこんだ。そこは口入屋と下宿を兼ねていた。ある日、炭坑夫が港から帰ると労働下宿のオヤジが、いい働き口があるようだからこの場所へ行け、と地図を渡してくれた。それは例の白手袋の男がやって来た後だった。現場に来て見ると駄菓子屋が一軒、荒れた炭鉱長屋の沼の近くにあるきりだった。突然現われた殺し屋がいきなり短刀でグサリ、抗夫を殺してしまった。殺し屋は目撃者の駄菓子屋の女をおどして偽証させる。その女がしゃべった犯人の人相は、近くの大炭鉱の労組の第一組合幹部そっくりだった。また被害者は第二組合幹部にそっくり。新聞記者が動き出し、両幹部とも当日はアリバイがあり、二人とも現地へいって調べてみようといい出す。その頃、偽証した駄菓子屋の女は駐在の巡査と情事の最中、また殺し屋に襲われ絞殺された。巡査は逃げた。続いて現場にやって来た両組合の幹部は、激論して殺し合う。死体たちの幽霊が起き上り殺し屋を追いかける。すべての事件を見ていたのは炭坑夫の子供だ。事件の真相は何だったのか。

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