1885年、アメリカ南西部ニューメキシコ州。荒野の無法地帯に孤立して建つ家で、マギー・ギレクソン(ケイト・ブランシェット)は女手ひとつで娘2人を育てていた。年頃の姉リリーは、町に憧れ農場での暮らしを嫌っているが、妹ドットは、自ら納屋で牛の乳絞りをするほどのしっかり者だった。農場での母娘の暮らしは、肉体的には辛い生活だったが、牧童のブレイクの助けもあり、充実した生活を送っていた。ある日、ブレイクが連れてきた初老の男を見てマギーは絶句する。その男は20年前に家族を捨てて、アパッチ族とともに生きることを選んだ父親のサミュエル・ジョーンズ(トミー・リー・ジョーンズ)だったのだ。ジョーンズは過去を悔い、マギーのもとを訪れたのだった。だが父親が家を出てから困窮生活を強いられ、母親を失い、自らも苦労を重ねてきたマギーは、一晩父親を家に泊めはしたが、あっさりと彼を追い返してしまう。翌朝、町の祭りを見物に出かけたブレイクとふたりの娘たち一行が、何者かに襲われる。男たちは無残にも殺され、ドットのみが一人そこに残され、リリーは誘拐されてしまった。マギーは町の保安官事務所に駆け込み、そこで犯人は騎兵隊として雇われたネイティブ・アメリカンで、造反を起こして脱走中だと知らされる。その脱走兵は、若い女性を誘拐しては奴隷としてメキシコに売り飛ばしているという。だが、保安官は捜索を騎兵隊に任せっきりで、その騎兵隊も当てにならない。マギーは自ら犯人と娘の行方を追跡することを決意し、ジョーンズに協力を仰ぐ。長年ネイティブ・アメリカンと生活を共にしてきた彼は、その習慣や戦い方に精通していた。幼いドットも連れて、マギー、ジョーンズの家族三世代による追跡が始まった。