教育大学に通う堀井香恵(沢尻エリカ)は、アパートでひとり暮らしを始めることになった。その部屋で、彼女は前の住人が残したノートの存在に気がつく。どうやら日記帳らしい。そんな香恵の部屋を、自転車に乗った白いシャツの男が見上げていた。ある日、香恵のアルバイト先である万年筆の専門店に、その男がふたたび現れる。彼はイラストレーターであり、理想の書き味の万年筆を探しているという。その男の名前が、石飛リュウ(伊勢谷友介)であることを知る香恵。いつしかリュウに思いを寄せはじめた香恵は、ふと前の住人の残した日記帳を開く。その日記は、真野伊吹(竹内結子)という小学校の新任教師がつけていたものであり、子供たちに囲まれて微笑む彼女の写真に香恵の心は和む。教師を目指す香恵は、伊吹の過ごす日々に共感を覚えながら日記を読み進めていく。そこには新米教師として奮戦しながらも、隆という名の男性との交流が淡々と綴られていた。隆とはどんな男性なのか、香恵は妄想を膨らませていく。伊吹に影響されるかのようにリュウへの思いを深めていく香恵だが、その前に星美(板谷由夏)という女性が現れる。リュウにとってマネージャー的な役割を果たす彼女は、いまもリュウはひとりの女性を愛し続けていると告げる。やがて香恵は、伊吹の相手である隆とリュウが同一人物であることに気がつく。伊吹と隆の恋は実らぬまま、不意の交通事故で伊吹はこの世を去っていた。日記の最後のページには、隆への真摯な思いが綴られていたが、その部分を伊吹は破って、紙飛行機にして教室の窓から飛ばした。伊吹が勤務していた小学校を訪れる香恵。振り返ると、リュウこと隆もそこにいた。二人の新たなスタートを祝福するかのように、伊吹の元教え子たちは教室の窓から紙飛行機をいっせいに飛ばす。