オペラ歌手を目指す音大生の緑川萌(満島ひかり)は、アルバイトで訪れた豪邸で、同じく音大でオペラを学ぶ麻見史緒(ステファニー)と出会う。だが、史緒に誘われて一緒に出掛けたオペラ劇場で、人気オペラ歌手の娘という恵まれた境遇の彼女と貧しい母子家庭育ちの自分の差を思い知らされ、激しい嫉妬を覚える。同じ日、史緒は父から破産を告げられる。夢への道を突然絶たれた史緒は、チャンスを掴むためオペラコンクールに出場。だが、対抗心から同じコンクールに出場した萌に心の隙を突かれて動揺、優勝を奪われてしまう。汚い手を使う萌に怒り心頭の史緒。やがて、萌はコンクールを主催したレコード会社副社長の神野隆(及川光博)に恋心を抱くが、彼は史緒に結婚を持ちかける。その一方で、大学のピアノ科に通う池之端蘭丸(渡辺大)と知り合った史緒は、彼の母親が経営する銀座のクラブで歌手として働き始める。ともに音楽に夢をかける者として距離を縮めていく2人。そこへ、神野の気を引くために女を磨こうと考えた萌が現れ、ホステスとして働くようになる。ある日、スランプに陥った史緒が遅刻。代わりに萌がステージに立つと、その歌声は聴くものを魅了。それを目にした史緒は自分の歌を磨くため、オペラを続けることを条件に神野と婚約する。事あるごとにぶつかる2人だったが、客のリクエストでデュエットを行うと、息もピッタリな最高の歌声を披露する。それを聞いていた蘭丸は、3人でユニットを結成し、ニューヨークの音楽プロデューサーが参加するコンサートに出場することを提案。ユニット名は3人のイニシャルを取った“SRM”。史緒は蘭丸と自分自身のために参加を決意する。だが、史緒と神野の婚約を知った萌は、怒りに任せて彼女を殴り飛ばしてしまう。果たしてSRMのライブは実現するのか? 萌、史緒、蘭丸の3人は、それぞれの夢に向かってどんな一歩を踏み出すのか……?