1930年代のアメリカ大恐慌時代。鮮やかな手口で銀行から金を奪い、不可能とも思える脱獄を繰り返す世紀のアウトロー、ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)は、その“黄金時代”を謳歌していた。利益を独り占めする銀行を襲撃する大胆不敵な犯罪手口、強者から金を奪っても弱者からは一銭も奪わないという独特の美学を貫くカリスマ性。それまでの“強盗”のイメージを覆すデリンジャーに、不況に苦しむ多くの国民は魅了され、まるでロックスターのようにもてはやしていた。そんなある日、デリンジャーは、他の女たちとはどこか違う雰囲気をまとった神秘的な美女、ビリー・フレシェット(マリオン・コティヤール)に目を奪われる。彼にとってビリーとの出会いは、これからの人生を決定付ける運命の瞬間であり、彼女もまたデリンジャーの強引で一途な愛に、危険な選択だと分かりながらも次第に惹かれていくのだった。だがその頃、FBIはデリンジャーをアメリカ初の“社会の敵ナンバーワン(PUBLIC ENEMY NO.1)”として指名手配。捜査の目をかい潜り、デリンジャーはビリーと再会するが、FBI捜査官メルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベイル)の包囲網が徐々に彼らを追いつめていく。永遠の愛を信じながら、二人の自由への逃亡劇が始まった……。