明治20年。長い旅から帰ってきた姿三四郎はアメリカ人水夫に暴力をふるわれる若い車夫・大三郎を助ける。すっかり三四郎に陶酔する大三郎。三四郎をアメリカ領事館通訳の布引が訪ね、アメリカ人拳闘家と試合をしないかと持ちかける。見世物にでることは禁じられていると断る三四郎だが、試合を見に行くことになる。そこには中年の柔術家が三四郎の代わりに試合に出ていた。止める三四郎にその柔術家は、三四郎の柔道が自分たちをここまで追い込んだと言い試合に臨む。試合は一方的な展開となり中年柔術家はボロボロに、そしてそれを囃すアメリカ人観客達。三四郎は苦悶の表情を浮かべる。修道館で矢野と対面する三四郎。後悔を口にする三四郎をいたわる矢野。村井の墓参りに出かけた三四郎はそこで村井の娘の小夜と再開する。その頃三四郎に敗れ病床に臥す檜垣源之助の弟の鉄心と源三郎が上京してきた。二人は唐手使いで修道館に乗り込み、小五郎に三四郎との立ち会いを申し込むが断られる。二人は侮蔑の言葉を浴びせて立ち去る。どうにも収まりが付かない三四郎は、わざと禁を破り破門されようと思い、道場で酒を喰らう。そこに矢野が現れ、わざと気付かない振りをし、徳利に技をかけて柔道の極意を教える。矢野の思いやりに両手をついて頭をたれる三四郎。大三郎が修道館に入会する。その頃から修道館の門弟が襲われる事件が続発する。鉄心と源三郎の仕業だった。そして二人の魔の手は大三郎までに及ぶ。鉄心と源三郎の姿に昔の自分の姿を見て苦しむ源之助。源之助は修道館を訪れ弟たちの非礼を詫び、二人が打倒三四郎のため山に籠もったことを告げる。三四郎は源之助を送るために人力車を担いで走らせる。その途中で三四郎に会いに来た小夜と出会ってしまう。源之助の心を慮る三四郎。二人からの挑戦状が届く。意を決した三四郎は破門覚悟で道場を飛び出し、再びわざと禁を破るため見世物に出る。アメリカ人拳闘家に勝利する三四郎に、かつて非難を浴びせた中年柔術家がすがりつき、泣きながら先の暴言を詫びる。小夜に別れを告げ、雪深い天狗峠に向かう三四郎。雪の中鉄心との戦いが始まる。勝利した三四郎は二人が籠もっていた山小屋に鉄心を運び入れ、そこで介抱を始める。戦いに参加しなかった源三郎は隙を見て三四郎を殺そうとするが、小夜の夢を見て無邪気に微笑む三四郎の顔を見て戦意を消失してしまう。翌朝晴れ上がった空を眺める三四郎の姿に、二人は「負けた」と言い合うのであった。