東日本大震災から数年後の長島県を舞台とする。酪農を営む小野泰彦(夏八木勲)は、妻・智恵子(大谷直子)と息子・洋一(村上淳)、その妻・いずみ(神楽坂恵)と、平凡ではあるが満ち足りた暮らしを営んでいた。隣に住む鈴木健(でんでん)と妻・めい子(筒井真理子)も、恋人・ヨーコ(梶原ひかり)と遊んでばかりいる息子・ミツル(清水優)に文句を言うことはあるが、仲良く生活していた。しかしある日、長島県に大地震が発生し、続いて原発事故が起きた。そのような事態が人々の生活を一変させた。警戒区域が指定され、鈴木家は強制退避が命じられたが、道一本隔てた小野家は避難区域外だった。泰彦は、洋一夫婦を自主的に避難させるが、自らは住み慣れた家に留まった。その後、泰彦の家も避難区域に指定され、強制退避の日が迫る中、泰彦は家を出ようとはしない。その頃、避難所で暮らしていた鈴木家の息子・ミツルと恋人のヨーコは、瓦礫だらけの海沿いの街で、消息のつかめないヨーコの家族を探して歩き続けていた。果たして、原発に翻弄される人々に明るい未来は訪れるのか……。