ヴァイオリニストでコンサートマスターの香坂(松坂桃李)のもとに、不況で解散した名門オーケストラ再結成の話が舞い込む。しかし練習場は廃工場、集まってきたのは再就職先も決まらない“負け組”楽団員たちと、アマチュアフルート奏者のあまね(miwa)だけだった。久しぶりに合わせた音はとてもプロとは言えず、不安が募る香坂。そこに謎の指揮者・天道(西田敏行)がやって来る。彼は再結成を企画した張本人だが経歴も素性も不明、下ネタを連発し、指揮棒の代わりに大工道具を振り回す。そんな自分勝手な進め方に楽団員たちは反発するが、次第に天道が導く音の深さに全員が引き込まれてしまう。やがて楽団員たちは、その破天荒な指揮に導かれ、それぞれが抱えていた心の傷と挫折から自信を取り戻していく。だが香坂だけは天道の隠された過去を知り、さらに反発を強めていくのだった。そして迎えた復活コンサート当日。意気揚々と演奏に臨むオーケストラのメンバーたちは、天道が仕掛けた本当の秘密を知ることになる……。