特殊な舌で何でも分析できる“絶対舌感”という特殊能力を持つ朝永蘭丸(向井理)は、唯一、口内細菌を気にすることなくキスできる相手に失恋、傷心の旅に出るがその途中、行き倒れてしまう。気が付くとそこは怪しげな鬼灯村。人工呼吸された時、その口内の細菌になぜか不快感のなかった女医・りん(木村多江)に興味を持った蘭丸は、伝説の三助として語り継がれる“大津のヘースケ”の孫であることを生かして村の温泉で働くことにする。だが、甕棺墓光(木村文乃)と宮沢寛治(佐藤二朗)が蘭丸を追って村にやって来た頃、村は次第に不穏な空気に包まれていくのだった。鬼灯村は玄武岩が多い土地柄で良い成分の水が沸く。その為、住民たちは温泉で村おこしをしようと試みていたものの、最近、黒水が出て対処に追われる上に不吉な鬼火が目撃され、さらには秘かに語り継がれていた「子殺しの温泉」という曰くつきの悪評が明るみになってしまった。村が大騒ぎになっていくなか、大陥没地帯で遺体が発見。殺されたのはりんと恋仲だと噂されていた酒蔵若旦那の卜真だったことから、たちまちりんに疑惑の目が向けられる……。