生後3ヶ月で失明したハルは、2歳で父と死別、7歳で瞽女になる、母親のトメ(中島ひろ子)は、それまで優しくハルに接していたが、瞽女になった時から心を鬼にしてハルを厳しく躾けるのだった。それは母親が子を思う愛情の深さであった。しかし、その優しさに気がつかないまま、ハルは8歳でフジ親方(冨樫真)と共に初めて巡業の旅に出る。同年、病が悪化してトメが他界。死別の際、ハルは自分を虐めた鬼である母親に涙一つ流さなかった……。意地悪なフジ親方からは瞽女として生き抜く力を、サワ親方(小林綾子)からは瞽女の心を授かり、成長したハル(吉本実憂)。「いい人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行」とハルは言う。やがて、様々な困難を経て親方になったハルは、幼い弟子ハナヨを受け入れることに。瞽女として生きていけるように何も知らないハナヨを厳しく躾けるハル。その時、自分が幼い頃母から鬼の様に厳しく躾けられる姿が走馬灯のように浮かび上がる。ハルは自分を愛してくれた母トメの慈愛の深さを知り、涙を流すのであった……。