郊外の小さな出版社に勤める28歳の小早川直実(多部未華子)は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父・小早川雅博(鶴見辰吾)と叔母・小早川明日子(美村里江)夫婦の計らいで大都会を見下ろすタワーマンションの高層階に住むことになる。まるで“空”に住んでいるかのような感覚をもたらすその空間で寄り添っているのは、長年の相棒、黒猫のハルだけ。職場では後輩で妊婦の木下愛子(岸井ゆきの)をはじめ、気心の知れた仲間たちに囲まれて過ごす直実だったが、それでも喪失感を抱えながら浮遊するように生きる日々。そんな彼女の前に突如として現れたのは、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則(岩田剛典)だった。夢のような展開に戸惑いながらも、彼を部屋に招き入れる直実。時戸との出会いによって直実の生活は徐々に変化を見せ始めるが、それでも埋めようのない喪失感は消えることはなかった。彼との夢のような逢瀬に溺れながら、先の見えないことはわかっている。葛藤を乗り越えた末に直実が選ぶ自分の人生とは……。