「客途秋恨」(1990年)や「女人、四十。」(1995年)などの作品で世界的に知られる香港映画の巨匠アン・ホイは1980年代以降、ツイ・ハークやパトリック・タムらとともに香港ニューウェーブの旗手として、香港映画の発展に大きく貢献してきた。ダイナミックな時間の流れに沿いながら、アジアの女性監督のトップランナーとしても歩んできた彼女は、中国で生まれ、5歳のときに家族で香港に移住、ロンドンで映画を学んだ。まさに、東洋と西洋の出会いや香港魂を体現する存在でもある。日本人の母との慎ましやかな日常生活や香港への思い、女性としての生き様、エネルギッシュな撮影風景のほか、シルヴィア・チャン、アンディ・ラウ、ホウ・シャオシェン、フルーツ・チャン、田壮壮など、香港・台湾・中国映画界の重鎮たちが彼女の作品と人柄について語るのを通して、彼女の実像に迫る。