東京都大田区の生まれ。本名・片桐由美。成蹊大学在学中の1982年、生田萬と銀粉蝶が主宰する劇団“ブリキの自発団”に入団。映画館でモギリのアルバイトをする傍ら、『電気果実物語』で初舞台を踏み、以後『夜の子供』『ナンシー・トマトの逆襲』『柔らかい肌』『ブリキノマチノ夏の夜の夢』など25作に出演する。特徴ある顔立ちと大柄な体、予想を裏切る動きなどで怪優視され、89年、SEEDコンタクトレンズなどのCMに出演したことから、全国区で注目された。94年の退団後もプロデュース公演などで活躍。ことに松尾スズキ作品に多く出演する。『マシーン日記』は教師だった女が教え子の実家の工場にやってきて教え子のマシーンと化す物語で、片桐は問答無用のパワーと怖さで高い評価を得た。ほか野田秀樹、渡辺えり、岩松了、水谷龍二、長塚圭史、蜷川幸雄演出舞台にも出演。初の映画出演は流山寺祥監督の「血風ロック」85。以降、滝田洋二郎監督「コミック雑誌なんかいらない!」86、すずきじゅんいち監督「砂の上のロビンソン」89などの映画や、数多くのテレビドラマに個性的な脇役として出演を重ねる。2000年の堤幸彦監督「ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer」では孤島の連続殺人事件に巻き込まれる女性役。庵野秀明監督「キューティーハニー」03では悪役ゴールドクローを過剰なまでのメイクと扮装で演じた。その他の出演映画に、竹中直人監督「連弾」01、「サヨナラCOLOR」05、松尾スズキ監督「恋の門」04、三木聡監督「ダメジン」06、「図鑑に載ってない虫」07など。荻上直子監督「かもめ食堂」06では小林聡美、もたいまさこと並びトリプル主演。『キネマ旬報』連載のエッセイ『もぎりよ今夜も有難う』など執筆活動も行なう。