つかこうへいの原作が既に面白いのだが、それを深作欣二監督が映画に見事に昇華した作品。松坂慶子、風間杜夫、平田満が皆適役で特に風間杜夫が過剰な演技で銀ちゃんを怪演、その狂気を帯びたスター気質を表現して見せた。松坂慶子の耐える愛、平田満の銀ちゃんへの憧憬など全てが過剰なつかこうへいワールドを上手く捌いた深作欣二監督はやはり凄い。
更には笑わせながらも階段落ちに持っていくまでの緊張感がドラマを引き締め、いよいよのクライマックスも松坂慶子のシークエンスとのカットバックで映画的に面白くしてみせた。ラストの華やかなフィナーレまで含めてとにかく楽しい傑作。