ダンサー・イン・ザ・ダーク

だんさーいんざだーく|Dancer in the Dark|Dancer in the Dark

ダンサー・イン・ザ・ダーク

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レビューの数

107

平均評点

76.9(907人)

観たひと

1574

観たいひと

162

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ミュージカル
製作国 デンマーク
製作年 2000
公開年月日 2000/12/23
上映時間 140分
製作会社 ツェントローパ・プロダクション
配給 松竹=アスミック・エース
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

目の不自由なシングル・マザーがたどる悲劇を描いた異色ミュージカル。監督・脚本は「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー。撮影は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のロビー・ミュラー。振付はヴィンセント・パターソン。主演・音楽はビョーク。共演は「ヴァンドーム広場」のカトリーヌ・ドヌーヴ、「グリーンマイル」のデイヴィッド・モース、「8mm」のピーター・ストーメア、「奇跡の海」のジャン・マルク・バールほか。2000年カンヌ国際映画祭パルムドール、主演女優賞受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1960年代、アメリカの片田舎。チェコからやってきたセルマ(ビョーク)は、女手一つで息子ジーン(ヴラディカ・コスティク)を育てながら工場で働いている。セルマは遺伝性の病気のため視力を失いつつあり、ジーンも手術を受けないと同じ運命をたどるのだが、それを秘密にしつつ、手術費用をこつこつ貯めていた。彼女の生きがいはミュージカル。アマチュア劇団で稽古をしたり、仕事帰りに友人のキャシー(カトリーヌ・ドヌーヴ)とハリウッドのミュージカル映画を観ることを唯一の楽しみとしていた。しかしセルマの視力は日増しに弱くなり、ついには仕事のミスが重なり工場をクビに。しかもジーンの手術代として貯めていた金を、親切にしてくれていたはずの警察官ビル(デイヴィッド・モース)に盗まれてしまう。セルマはビルに金を返すように迫り、もみ合っているうちに拳銃でビルが死んでしまった。やがてセルマは殺人犯として逮捕され、裁判にかけられる。しかしセルマはジーンを守るため、またビルが妻に内緒で破産していたという秘密を隠し通すため、法廷でも真実を語ろうとはしない。そしてジーンが目の手術を無事受けることだけを願いつつ、自分は絞首台で死んでいくのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2001年2月上旬号

外国映画紹介:ダンサー・イン・ザ・ダーク

2001年1月下旬新世紀特別号

劇場公開映画批評:ダンサー・イン・ザ・ダーク

2001年1月上旬新年特別号

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:ビョークという女神

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:ラース・フォン・トリアー監督 インタビュー

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:ミュージカルの進化形

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:ロビー・ミュラー(撮影) インタビュー

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:ヴィンセント・パターソン(振付) インタビュー

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:作品評

作品特集 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」:コラム ダンサーにもっとハマる

新作紹介:ダンサー・イン・ザ・ダーク

2000年9月上旬号

速報2001年正月映画:「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

2024/02/18

2024/02/18

-点

VOD/その他/レンタル/テレビ 
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The Show Must Go On.

「ミュージカルを観るときは最後から2番目の曲が終わったところで劇場を出るの。そうすれば永遠に終わらないでしょう?」

1964年アメリカ。チェコ移民セルマ(演:ビョーク)は息子ジーンと2人でトレーラーハウス暮らしをしている。彼女の家系には先天性の眼の病気があり、彼女も失明寸前で、いずれはジーンに遺伝するであろう病気のためにわずかな工賃から治療費を貯金していた。だが眼のせいで雇い先の工場はクビになり、折しも借金を抱えていた大家ビル(演:デヴィッド・モース)が持ち逃げした治療費を取り返そうとした際にビルを殺害してしまう...。
本音を言うと、あまり感情移入出来なかった。僕は独身主義者であり、子供も持とうと思っていない。ポンコツなスペックしかくれてやれないし、せめて明るい未来が見通せるならとも思ったがそれも叶いそうにない。であれば自分のエゴで子供をもうけることなど子供からすれば罰ゲームでしかない。そう思うから関心がないのだ。セルマは僕とは真逆だ。眼の病気が遺伝することをわかっていても、赤ん坊を自分の腕で抱きたかったからジーンを産んだ。それを批判はしないが、ならば最後までセルマには全うして欲しかったと強く思う。セルマの選択は、確かに最後から2番目の音楽で止めたことになるかもしれない。だが同時にそれはジーンにとっては、「残りの長い人生をエンドロールで過ごせよ」と言っているようにしか思えない。加えて、親友キャシー(演:カトリーヌ・ドヌーヴ)ら周囲の人々の想いすら台無しにしてしまったようにも感じる。つまり、立つ鳥跡を濁しっぱなしに映ったのだ。
他に選択肢がいくらでもあったために残念でならない。間違いなく、もっと他の終わり方があったはずである。

2024/01/06

2024/01/06

90点

テレビ/有料放送/WOWOW 
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おみごと

トリアー監督による一種の観察の悪意と善意、人間に見いだす悪意と善意が、同時進行で描かれる、そのバランスがとても佳い。

そして、私は初めて、歌って踊る論理的な必然性を感じた作品でしたよ。鉄橋・列車のシーンは中でも特筆もの。

チェコからアメリカに移住なり亡命なりするまでのプロセスは説明されていないけれど、主人公はさぞかし艱難辛苦に出会ったのだろうな、それを打破する知恵もあったのだろうな、と思った。

舞台となる現場から遠く離れたデンマークから、フィクションを構築して製作するトリアー監督だから、こんなことを思うのはおかしな事なのだけれど。

そうそう、ビョークさん、知り合いだったら友人になれたかもしれないなと思いました。




2023/12/03

2023/12/03

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 


まいった

ネタバレ

すごい映画でした。

最初の入り方もおかしいし、
まるでドキュメンタリーのような平板な映像が続く。

彼女は一つのことを、そのことだけを大事に生きてるんだ。

けど、彼女の空想の世界。

そこだけは、光り輝くミュージカルの世界。
急に映画らしい映像が続く。

いや、続かない。

現実の世界に戻らないといけない。
現実の世界で彼女はどんどん追い込まれる。

彼女が死にたくないと思ったのも、
やっぱり死刑を選んだのも、よくわかる。

話が淡々と進むので、あまり面白くないなぁと思って観ていたんだが、最後の方のビョークの歌で、泣いちゃいました。

はい。

やられました系の素晴らしい映画です。

2021/01/24

2023/11/09

80点

映画館/神奈川県/ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野 
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劇場公開時の採点とあやふやな記憶

採点は、劇場公開時のもの。

今は、あまり具体的な記憶には残っていないが、
強烈な印象を受けた事と、
他の人の解釈とは異なっていた事で、
真剣に分析しようと思って、確認のために再度劇場に行った事は覚えている。

解釈の違いとは、
他の人はストーリーをそのまま受け取って、ストーリーの是非を語っていたのに対し。
私は、「ストーリーは何かを象徴しているだけ」と思った事だったかな?

ーーーー

【基本情報の訂正】

メディアタイプとは撮影時のメディアの事だと思うが、
IMDbによると、この作品はフィルム撮影ではなく、
ソニーのビデオカメラ(PAL方式)で撮影されていて、
そのために解像度が粗い画質になっている。

2023/10/07

2023/10/07

87点

VOD/U-NEXT 

・若い頃に鑑賞し、強烈なトラウマを植え付けられた作品 対に対峙する日が来ました 年齢を重ね向き合った結果、強烈に心をえぐられる傑作でした 逃げずに鑑賞してよかった
・ただ不幸なだけの映画ではなく、セルマの息子に対する愛に満ち溢れた映画 結果的に絞首刑直前に救いもあったので、悲しみだけでない涙に溢れました
・通常場面の手振れカメラの色の薄い世界、妄想のミュージカル場面の色のあるバキッとした映像 この対比がうまく描かれる 死刑執行直前の歌う場面は、手振れの現実場面で歌声であることがより強調されて胸に響く
・目の見えずに仕事を失う逆境、家主の妻の浪費を防げない夫に金策を頼まれ強引にお金を奪われる悲劇、息子のために真実を胸に秘め死刑に臨む覚悟 文字にすると救いがない展開ではあるが、仕事を失い何もない中で、息子の幸せのみを願う行動として曇りがなくまっすぐで、結末に対し賞賛に値する行動
・友人キャシーのカトリーヌドヌーブ、セルマに好意を持ち無償の愛を注ぐジェフ、彼女の境遇を理解しできる限りに寄り添う女性看守のブレンダ セルマを取り巻くやさしさが胸に刺さる
・ビョーク無くてはならない作品 ミュージカル場面での歌唱力は当然であるが、絞首刑直前の死を恐れる場面の演技はすさまじい ブレンダに励まされながらもマスクに錯乱し恐怖におびえる 死刑執行待ちの間の魂の歌声に心が震える 歌唱中の突然の執行、無音の中で映し出される歌っていた歌の歌詞 えぐられる結末であるが映画史に残る切れ味のラスト
・セルマを支えるキャシー 工場で支え、裁判でも同席し、再審請求に向けて貯めたお金を利用し救おうとする セルマの目的である息子の目のために命を懸けることを覚悟し、執行直前に息子のメガネをセルマに渡す 救いがあるこの展開が本当によかった
・死刑執行に向けて、恐怖に負けているセルマを励ますアマンダのやさしさにも涙が 107歩の歌とともに歩き出す二人を見ていると熱くなりました
・諸悪の根源である家主の夫妻 浪費家で夫殺しのセルマを憎む妻、気が弱いが巧みにセルマのお金を奪う夫 映画的であるが、実に憎い二人 しかし、失明し仕事を失ったセルマを考えると、この展開が無くても生きていくことはできたのかとも思う
 

2023/07/01

2023/07/01

85点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


個人的な秘密は絶対に自分以外は話さない事を学びました

やはり見た後の後味の悪さは超一級です。バッドエンドの代表作ですね。それにしてもどんなに信用している人でも個人的な秘密は絶対に口外してはならないですね。それと人にはめられた時は軌道修正しなくてはですね。だんだん不幸のドツボにハマります。嫌われ松子の一生もこのカテゴリーかなミュージカルと言うのもヒントなのかな
見てて楽しい映画ではないけど大変勉強になりました。