車寅次郎は、“フーテンの寅”と呼ばれる香具師。父親と喧嘩してとびだした中学の時以来、ヒョッコリ故郷の葛飾柴又に帰って来た。というのも唯一人の妹・さくらを残して両親が死んだと風の便りに聞いたため。叔父の家へと向った寅次郎はそこで、美しく成長したさくらに会い、大感激。妹のためなら何でもしようと発奮、妹可愛さの一心で、さくらの見合の席へと出かけたものの、慣れぬ作法に大失敗。縁談をこわしてしまった。いたたまれずに、また旅にでた寅次郎は、奈良でお寺巡りをしている柴又帝釈天の御前様と娘の冬子に会い、冬子の美しさに魅せられ、故郷にと逆戻り。そんな寅次郎を待っていたのは、工場の職人・博の「さくらさんが好きです」という告白だった。博の真剣さにうたれ、何とかしてやろうとしたものの、寅次郎は、もち前の荒っぽさで、またまた失敗。が、かえってこれが、博、さくらを結びつけた。さくらの結婚の後の寂しさを、冬子の優しさに慰められていた寅次郎は、ある日、冬子が婚約者と一緒にいるところに出くわしショックを受ける。そしてそのことが周囲に知れたため寅は再び旅に出るのだった。