上方落語界の重鎮・笑満亭橋鶴(長門裕之)が亡くなった。今わの際、「外が見たい」と言ったのを、一番弟子の橋次(笹野高史)が「そそが見たい」と勘違いした為に、橋太(中井貴一)の妻・茂子(木村佳乃)が恥を忍んで自分のおそそ=女性器を見せた、3分後のことだった。そんなそそっかしい一門であるから、通夜の晩は無礼講。生前の師匠の様々な逸話で盛り上がり、遂には亡き骸を引っ張り上げて落語『らくだ』の“カンカン踊り”まで出る始末であった。それから暫くして、橋次が亡くなった。通夜の晩、想い出話に花が咲く。験の悪さと言ったら群を抜いていた橋次。お寺さんを借りての独演会では、行く先々で、本堂が火事になったり、住職が亡くなったり……とついてない。だが、たった一度だけ、艶っぽいお姉さんとの一夜も、あることにはあった。一年後、今度は橋鶴師匠の妻・志津子ねえさんが亡くなった。通夜の晩、かつて今里新地の一番人気の芸妓だった志津子ねえさんの弔問に、鉄工所の元社長だと言う初老の男がやって来た。果たしてこの男、師匠とねえさんを争った恋敵で、霊前にねえさんから教わった座敷歌を捧げたいと言い出した。ところが、その歌がエッチで洒落ていたことから、そのうち橋太が負けじと歌い出し、終いにゃみんなで歌合戦、となるのであった。