90年代初頭の田舎町・松ヶ根。警察官として働く鈴木光太郎(新井浩文)には双子の兄・光(山中崇)がいる。母親と姉は畜産業を営み、父・豊道(三浦友和)は家出中だ。ある日の早朝のこと、雪の降り積もった田舎道で女の死体が発見される。光太郎は検死に立ち会うが女は仮死状態であることが判明し、翌朝ベッドの上で意識を取り戻した。女の名はみゆきといい、どうやら当て逃げされたらしい。駅で刑事と別れたみゆきは、安宿で西岡(木村祐一)という男と落ち合い、氷の張った湖へと向かった。二人はアイスピックとジッポオイルを使って氷に穴を開けようとするが、うまくいかない。一方、光太郎の家では豊道が近所の理容室の娘を妊娠させていたことが発覚し、騒動になっていた。やがて町の食堂で光がみゆきたちに出くわす。実は当て逃げの犯人は光だった。西岡は光を脅迫し、湖の氷掘りを手伝わせる。氷の下からは金の延べ棒と生首が見つかった。やがて光太郎が当て逃げ事件の真相と湖の死体のことに気づき、光を警察に連れて行こうとするが、光はそれを拒んで、西岡たちのところへ向かった。そしていつしか光太郎の家にも松ヶ根にも平穏な日々が戻ってくる。松ヶ根の町に銃声が響いたのはまさにそんな時だった……。