山梨県塩山市(現・甲州市)の生まれ。本名・三浦稔。小学生の時に一家で東京都立川市へ転居。歌手の忌野清志郎と同級生だった都立日野高校を卒業後、日本電子工学院へ入学し、アルバイトをしながら音楽活動していたところをスカウトされて、1972年のTBS『シークレット部隊』で俳優デビューする。以後も同局『燃える兄弟』72、『刑事くん』73、フジテレビ『剣道一本』72、NET(現・テレビ朝日)『じゃがいも』73などのドラマに出演し、その端正な二枚目ぶりで女子中高生の注目を集めた。74年、アイドル歌手・山口百恵の第1回主演映画「伊豆の踊子」の相手役に応募。合格者は現役東大生だったが、監督の西河克己が芝居のできる既成のタレントを熱望したため、落選した友和が抜擢される。以降、“百恵×友和”のコンビ映画は東宝のドル箱シリーズになり、80年の市川崑監督「古都」まで12本が製作された。東宝は友和を青春スターとして売り出し、百恵との共演作以外でも「阿寒に果つ」「青い山脈」「陽のあたる坂道」75で主役に起用。百恵とはTBS『赤い疑惑』75、『赤い衝撃』76などのドラマでも共演し、私生活でも80年11月に結婚。百恵の芸能界引退によって、ゴールデンコンビの作品は終了する。81年、村川透監督「獣たちの熱い眠り」でダーティなヒーローを演じ、テレビ朝日『西部警察PARTⅡ』でもアクションを披露するなど、青春スターからの脱皮を図る。映画は以後、舛田利雄監督「大日本帝国」82、森谷司郎監督「海峡」82の助演、小松左京原作・総監督のSF映画「さよならジュピター」84に主演と、大作が続いたが、決定的なイメージチェンジには繋がらなかった。85年、相米慎二監督「台風クラブ」で酔っぱらいの無責任な中学生教師を演じ、それまでにない人間臭さを感じさせ好演。この演技で報知映画賞、ヨコハマ映画祭の助演男優賞を受賞する。もともと整った見た目が魅力の核心だったが、この頃から普通人の頼りなさやだらしなさを覗かせた独特の持ち味が活かされていくようになる。91年には澤田幸弘監督「仔鹿物語」、戸井十月監督「風の国」、竹中直人監督「無能の人」、舛田利雄監督「江戸城大乱」に出演し、毎日映画コンクール男優助演賞を受賞した。99年には諏訪敦彦監督「M/OTHER」で、監督や共演者とディスカッションしながらダイアローグを考えていくという実験的な撮影現場を経験。彼が演じる主人公と恋人、別れた妻子が同居する奇妙な擬似家族関係を描いた同作はカンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞し、自身も報知映画賞主演男優賞、さらには毎日映画コンクールの脚本賞にも監督らとともに輝いている。山崎貴監督「ALWAYS/三丁目の夕日」05・07では空襲で妻子を失った小児科医に扮して、初老の男の喪失感を見事に表現。2007年、山下敦弘監督「松ヶ根乱射事件」では主人公の双子のぐうたらな父親、三木聡監督「転々」ではオダギリジョー演じる主人公の青年と東京を散歩する不思議な借金取りを演じ、キネマ旬報賞とブルーリボン賞の助演男優賞を受賞する。さらに、山崎豊子原作、若松節朗監督の「沈まぬ太陽」09では渡辺謙演じる主人公のライバル・行天四郎を熱演して、キネマ旬報賞、日本アカデミー賞、日刊スポーツ映画大賞の助演男優賞を獲得した。テレビドラマはほかに、NHK『独眼竜政宗』87、『レガッタ・国際金融戦争』99、『純情きらり』『ウォーカーズ・迷子の大人たち』06、TBS『オトコの居場所』94、『ブラックジャックによろしく』03、『世界の中心で、愛をさけぶ』04、『流星の絆』08、『新参者』10、フジテレビ『妊娠ですよ』94・95、『薔薇のない花屋』08、『東京DOGS』09、テレビ朝日『はみだし弁護士・巽志郎』96~11、『小児病棟・命の季節』96、『氷点2001』01、『弟』04、テレビ東京『それぞれの断崖』00など多数。人生の年輪を感じさせる演技派俳優として映画、テレビドラマに欠かせない存在である。長男・祐太朗はロックバンド“Peaky SALT”のヴォーカルをつとめデビュー。次男・貴大も俳優として活躍している。