ミレニアム・タワーがそびえ立つネオン輝く神室町。熱帯夜、かつて「堂島の龍」と呼ばれた伝説の極道・桐生一馬(北村一輝)が10年の刑期を終えて戻って来た。彼の心の奥底には幼馴染み、澤村由美(高岡早紀)への愛が秘められていた。そんな桐生の前に、犬を連れた9歳の少女・遥(夏緒)が現れる。彼女は、消息が途絶えた母親・美月を捜すため、施設を抜け出して、欲望と暴力が渦巻くこの街にたったひとりでやって来たのだ。桐生は、ヤクザ達の襲撃をかわしつつ、少女と犬を連れて美月の痕跡を辿り出す。ホストクラブ「スターダスト」では、オーナーの一輝(加藤晴彦)から、美月の姿を一ヶ月前から見ていないこと、さらに、桐生が親と慕う風間組組長の風間が、ひとりの男を一輝に預けたまま姿を消したことを聞かされる。ひと言もしゃべらぬその謎の男は、桐生達が去った後、密かに「スターダスト」を抜け出した。遥が大切に持っていた写真から、由美が美月の姉であることを知り、桐生は驚く。だが、由美の手がかりを求めて行った店・セレナは荒らされており、彼女の生死もわからない。その頃、街のきらめき銀行では、二人組のマヌケな銀行強盗が、行員達を人質に立てこもっていた。向かいの床屋に詰めていた刑事の野口(哀川翔)は、銀行には一円たりとも現金はない、という情報をヤクザ絡み担当の4課の刑事・伊達真(松重豊)から聞いて驚愕する。あちこちの銀行に分けて預金されていた東城会の100億円が何者かによってネット操作で引き出されていたのだ。そして「スターダスト」を抜け出した謎の男・朴(コン・ユ)が路地裏でハングルの合い言葉を呟く。その相手は、床屋の店主。朴は韓国政府諜報機関のスナイパーだった。東城会100億の消失事件と桐生出所の噂は、神室町の裏社会にまたたく間に広まった。真島組組長で桐生の兄貴分でもある真島吾朗(岸谷五朗)は、桐生との対決を待ち望む。彼は、超・武闘派で知られる狂気の極道、道行くヤクザ達をためらいもなく金属バットでぶちのめしつつ、神室町の情報屋でもある武器屋から、桐生に関する情報を入手する。真島の根城であるバッティングセンターを舞台に、桐生対真島の10年来の因縁の決闘が始まった……。