いまから1800年前、400年の歴史を誇る漢王朝も乱世を迎えていた。君主として帝国を支配するのは、80万人の大軍の頂点にある曹操(チャン・フォンイー)。「天下統一」を掲げる彼は、軍勢2万人の劉備(ヨウ・ホン)を襲う。撤退が遅れた劉備軍は多大な打撃を受けるが、関羽(バーサンジャプ)と張飛(ザン・ジンシェン)の活躍によって、なんとか壊滅を免れた。窮地に立たされた劉備に進言したのは天才軍師として知られる孔明(金城武)だった。その案とは、敵軍である孫権(チャン・チェン)と同盟を結んで、共同で曹操を倒すという大胆なものだった。これからも残された僅かな軍勢で闘いを続けるか、降伏して曹操に白旗を掲げるか。ふたつにひとつしかない選択の中で、孔明の提案は唯一の希望の光だった。単身で孫権との会見に向かった孔明が出会ったのは、孫権軍の司令官ともいえる周瑜(トニー・レオン)だった。彼が知と徳を持ち合わせた優秀な軍人であることは、外観からもひとめで理解できた。周瑜は孔明の提案を警戒するが、その誠実な人柄に触れるにつれて信頼を抱くようになる。孔明もまた、カリスマ的な周瑜の魅力に惹かれ、大いなる友情を感じはじめていた。孫権側の外交官である魯粛(ホン・ヨウ)の画策も功を成して、やがて二人の心はひとつとなる。孫権軍と劉備軍は同盟を結んだ。しかし、両軍を合わせても10万人、曹操軍の80万人には及びもつかなかった。曹操には、もうひとつの野望があった。至高の美女としてその名を轟かす周瑜の妻である小喬(リン・チーリン)を我がものにすることだった。孫権の妹でありながら、馬術の達人で男勝りの尚香(ウィッキー・チャオ)。周瑜の部下で、命も顧みず敵陣に乗り込む勇敢な武人の甘興(中村獅童)。数々の人間模様が描かれながら、曹操2000隻の戦艦と孫権・劉備同盟軍による戦いがいま始まろうとしていた。