高校の普通科に通う3年生の次雄は、母と妹の3人暮らし。父は女を作って出て行ってしまった。ある日、彼は同じクラスの勇から体育祭の棒たおしに参加するよう誘われる。初めは乗り気でなかった次雄だが、秘かな想いを寄せる同級生の小百合と担任教師・石垣との不倫に対するやり場のない怒りや、女と別れたから帰って来たいと言う身勝手な父への不満が彼を棒たおしへと駆り立てていく。なんとかメンバーをかき集め、「打倒工業科」をスローガンに特訓の毎日。ところが体育祭直前、元々心臓病を抱えていた勇が工業科の闇討ちに遭い、入院を余儀なくされてしまう。卑怯なやり方にブチ切れた次雄とメンバーは一致団結。そしていよいよ体育祭当日、特訓の成果あって普通科のメンバーが勝利・・・と思われた時、暴力行為があったと試合は中止される。しかし、生徒たちからの熱い要望で仕切り直し。「棒たおしやらなきゃ、死んでも死にきれねぇ!」と勇も病院から駆けつけ、学の編み出した秘策の下、次雄は敵の棒のてっぺんへと登り詰めていく。だが、試合終了を告げるホイッスル。すんでの差で、見方の棒が倒されていたのだ。勇が他界したのは、それから2ヶ月後のことだった。悲しみや悔しさを乗り越え、一回り成長した次雄。彼は、東京へ行ってしまった小百合にいつか自分の気持ちを伝えようと心に誓う。