折井綾乃(草刈民代)は、患者からの評判も良い呼吸器内科のエリート医師。しかし、長く不倫関係にあった同僚の医師・高井(浅野忠信)から別れを告げられ、失意のあまり自殺未遂騒動を引き起こしてしまう。そんな彼女の心の傷を癒したのは、重度の喘息で入退院を繰り返していた患者、江木秦三(役所広司)の優しさだった。互いの心の内を語り合い、医師と患者の関係を越えた深い絆で結ばれてゆく綾乃と江木。やがて、病状の悪化によって自分の死期が迫っていることを自覚した江木は綾乃に懇願する。“信頼できるのは先生だけだ。最期のときは早く楽にしてほしい”と……。2か月後、江木が心肺停止状態に陥り、綾乃は決断を迫られる。約束通り治療を中止するのか、命ある限り延命の努力を続けるのか……。“愛”と“医療”の狭間に揺れる綾乃は、ついに重大な決断を下す。3年後、その決断が刑事事件に発展。綾乃を殺人罪で厳しく追及する検察官の塚原(大沢たかお)。綾乃も強い意志を持って塚原に向き合うが……。