パリ・ヴォージュ広場でおよそ300年の伝統とパリ随一の格式を誇るホテル“シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ”、別名「王妃の館」は、世界中の観光客が憧れる最高級ホテル。そのホテルの知名度を利用して、倒産寸前の旅行会社が起死回生策として「王妃の館」のスイートルームを利用できるツアーを企画する。だがそれは、パリ10日間200万円の超豪華“ポジツアー”と、29万8000円の格安“ネガツアー”を同時に催行、昼と夜でダブルブッキングするというものだった。完璧に見えたその計画であったが、それぞれのツアーの参加者は、いずれも一癖も二癖もある曲者揃い。スランプの天才小説家・北白川右京(水谷豊)、旅行会社社長・朝霞玲子(田中麗奈)と添乗員・戸川光男(尾上寛之)、傷心の美人OL・桜井香(吹石一恵)、成金実業家・金沢貫一(緒形直人)、クラブホステス・ミチル(安達祐実)、カタブツの熱血警察官・近藤誠(青木崇高)、ショーパブの女装スター・クレヨン(中村倫也)、文芸編集者の香取良男(山中崇史)と早見リツ子(野口かおる)、そして元詐欺師・丹野二八(石橋蓮司)。彼らは様々な問題を抱えながらこのツアーに参加していた。新作の取材のためにやってきた右京は、持ち前のマイペースな人柄、そして彼に“降りてくる物語”によってツアー参加者たちを幸せへと導いていく……。