ジャッキー・チェン健在

　2024年の中国映画。ジャッキー50周年記念プロジェクト第2弾。
　若いころのジャッキー・チェンにそっくりの俳優さんだなあと思ってみていたら、若いころのジャッキーをCGで再現したものと知りびっくり。しかし中国の歴史の中で、勝った方は負けた方を皆殺しにするのが普通で、映画のように趙戦が匈奴の投降した戦士たちに帰依すれば命の補償をするというのにはなんか違和感があった。漢民族が他民族に対して優しかったんだよという印象をつけたかったのかな。さすがのジャッキー・チェンも本気のアクションはもう難しいのか、氷で滑ることを利用したりそこにあるものを利用して戦う姿は楽しかったが往年の強さは感じられなかったのがちょっと残念だった。それにしてももしかしたらこれもCGだったのかもしれないけど、あれだけの馬が草原を走る姿は壮観でした。また前漢時代に氷河を掘って聖地を築いたあの巫女たちはいったいどれほどの時間をかけてあの氷の中の空間を作っていったんだろう。そんな極寒の中でどうやって生きていたんだろうと心配になってしまった。一方ハーバードは何故聖地のお宝を自分のものだと主張したんだ。たとえ匈奴のフドゥナの生まれ変わりだったり末裔だとしても、聖地の宝はフドゥナ一人のものではなかったはずなんだが。ハーバードがいかにして自分が匈奴の王の生まれ変わりだと思いついたんだろう。ファン教授のように何かのきっかけで夢を見たのかな。だとすれば最後に夢雲と対峙した先に聖地がある事などわかりそうなものなのに。まあ70歳を超えたジャッキーがまだまだ活躍している姿を見れただけで良かったかな。でもCGによるディエイジング技術は主演俳優の演出効果で使用するならまだしも、フルCGによるキャスティングも可能となるので、俳優の演技力や表現力よりCG操作技術による表現力が問われる時代が来ちゃうんでしょうかねえ。

あらすじ：新疆ウイグル自治区の氷河の近くにある遺跡で発掘調査を行っていたファン教授、助手のワン・ジン、シン・ランらは前漢時代の遺跡の翡翠の装飾品を見つける。ファン教授は、前漢の武将趙戦となり正体不明の姫君を助ける夢を見る。そこでの友人の武将華峻はワンそっくりだった。当時匈奴に脅かされていた漢民族は対抗するため騎馬隊を育成していた。著名な武将霍去病の部下である趙戦将軍と華峻将軍は謎の美女夢雲を助け、彼女を追ってきたフドゥナと対峙する。フドゥナは匈奴の王の息子だが王位は弟に譲ると言われていた。夢雲は王に父を殺され娘を守るため母が王に嫁いでいて、匈奴の聖地を守る巫女の後継者に指名されていた。しかしフドゥナは夢雲を妻にしようとしていた。夢雲は母を漢に逃がし王を殺そうとしたがフドゥナに止められ、フドゥナは父と弟を殺し夢雲を追ってきたのだった。落ち合うはずだった母が現れなかった夢雲と合流した趙戦と華峻は騎馬隊を率いて匈奴の陣地を襲い、捕われていた漢族や夢雲の母を開放し多くの馬を手に入れる。しかしフドゥナの射た矢により母は死んでしまう。多くの馬を手にいれたことからさらに強力な騎馬隊が結成され夢雲も調教に協力した。匈奴が連合を組んで攻めてくるという情報を得、霍去病はそれに対抗する。趙戦と華峻は先陣を切って攻め入り戦いは勝利するが趙戦は深手を負い、華峻も傷ついてしまう。趙戦の傷は毒により侵され、それを夢雲が吸い出すも、解毒剤は聖地の巫女のみが持っているということで夢雲は傷ついた華峻と共に聖地に赴く。巫女から解毒剤を得るが夢雲も吸い出す際に毒に侵され聖地を探すフドゥナと戦う中で亡くなってしまう。フドゥナも助けに来た華峻により死んでしまう。華峻は解毒剤を届けるため無理をして馬を崖から落としてしまい何とか自陣に戻るが息絶えてしまう。しかし解毒剤のおかげで趙戦は助かるのだった。ファン教授とワンらが、翡翠の装飾品を見てもらうためハーバードの所で瞑想し同じような夢を見る。そして聖地が氷河の先にある事を夢で知り、そこを訪れることに。氷の洞窟の先には古の建造物があり、さらにその奥には金の像をちりばめた木のオブジェがあった。そこへフドゥナそっくりのハーバードが現れ財宝を手に入れようと爆薬を仕掛ける。遺跡を壊すなというファンとの戦いが繰り広げられ、ハーバードは爆破によって崩れた金の像の下敷きになるのだった。そしてファンとワンが夢で見た物語を本にしたものが人気を博するのだった。