スランプに陥った作家の春名礼子(中谷美紀)は、編集者・木島(西島秀俊)の勧めもあり、郊外の一軒家に引っ越すことを決意する。緑に囲まれた静かな環境に身をおいた礼子だったが、ある夜、一人の男がシートに包んだ得体の知れない物体を向かいの建物に運び込むのを目撃する。やがて礼子は、男は吉岡誠(豊川悦司)という名の1000年前のミイラを沼から引き上げた大学教授であることを知った。ミイラらしき物体に礼子は心奪われていく…。吉岡もまた、大学から、ミイラを展示するため、保存処置を急げと促されるが、なぜか、その指示に従えずにいた。そんな折、大学の研究生たちが研修所に集められることが決まる。ミイラの存在を隠さねばならない吉岡は、礼子の元を訪れ「ミイラを預かってくれ」と頼み込む。了承した礼子であったが、それを機に悪夢にうなされ始める。小説が書けなくなってしまった礼子。だが、前の住人が置き忘れていった原稿を手にし、それを書き写してしまう。完成した小説は出版されることが決まったが、その日から、彼女は新たな存在の気配に脅かされるようになる。虚ろな礼子は、何かに導かれるように沼に辿り着き、そこで意識を失ってしまい……。