静岡県浜松市の生まれ。女子美術短期大学を中退後、文学座の研究生となり、1992年の矢口史靖監督「裸足のピクニック」で、主人公を逆恨みするキリコ役で映画初出演する。その後、文学座から脱落する挫折を味わうも、高橋伴明監督「愛の新世界」94のオーディションで、劇中でも効果的に用いられる写真を手がけた荒木経惟らに認められ合格。小さな劇団で女優を志し、夜はSMクラブの女王様として生き生きとアルバイトに励む今どきのヒロイン・レイを、新人らしからぬ貫禄さえ漂わせて好演し、キネマ旬報賞新人女優賞ほか各賞を総なめにした。その後も、元祖“極妻”の岩下志麻を相手に、ホステス上がりの後妻をふてぶてしく演じた関本郁夫監督「極道の妻(おんな)たち・赫い絆」95、父親の敵を討つ賭博師役で主演した広瀬襄監督「女賭博師・花吹雪お涼」96などのほか、カメレオン女優として大活躍。オバサンの哀感に恍惚感すらにじむ最期を遂げる篠原哲雄監督「昭和歌謡大全集」03、臓器移植を待つ子を持つ母親の切実さに肉迫した阪本順治監督「闇の子供たち」08では繊細に、笑える悲劇の起爆剤となる主人公の母親を快演する水田伸生監督「なくもんか」09、久々の主演作でコスプレも披露した内田春菊監督「お前の母ちゃんBitch!」10では豪快にと、硬軟自在の演技で、いかなる作品にも見事に溶け込む。テレビドラマも、日本テレビ『終らない夏』95以降、多数出演。テレビ朝日の人気シリーズ『相棒』では、寺脇康文扮する亀山薫の妻となる美和子を2002年から08年まで好演し、劇場版第1作にも出演した。NHK『新選組!』04では艶めかしくも純朴な山南敬助の最後の恋人・明里を妙演。舞台では『みつばち』03の長塚圭史、『12人の優しい日本人』05の三谷幸喜、『恋する妊婦』08の岩松了など、鬼才との仕事が続く。