乱世に終止符を打つべく天下統一を目指す武将・醍醐景光(中井貴一)は、地獄堂に封印されていた四十八の魔物たちと契約をかわす。天下統一を成す力を授かるかわりに、実の子である赤子の体の四十八箇所を捧げたのだった。それから二十年の後、男装の野盗・どろろ(柴咲コウ)ははぐれ者として一人旅をしていたが、砂漠の街で百鬼丸(妻夫木聡)と出会う。百鬼丸はどろろの目の前で酒場に潜んでいた化け物を切り伏せた。その途端、彼の義足が抜け落ち新たな足が生えてくる。百鬼丸は地獄堂で捧げものにされた赤子の後の姿であった。彼は奪われた自分の体を取り戻す為、四十八の魔物を倒す旅を続けていたのだった。どろろは、魔物を粉砕した百鬼丸の“破魔の刀”を狙い、旅の道連れとして彼につきまとい始める。次々に現れる魔物たちと切りむすび、共に幾多の危機を乗り越えながら友情を感じ始める二人。どろろの真の目的は、“破魔の刀”を手に入れ、両親の仇に復讐を果たす事であった。仇の名は、今や乱世に終止符を打ちつつある武将・景光。百鬼丸は、切り伏せた魔物の末期の声で、自分を生贄に捧げた実の父がかの景光であった事を知る。一方、天下統一を急ぐ景光もまた、かの赤子が統一への道の障害として舞い戻りつつある事を予感していた。やがて、実の父子でありながら刀を切りむすぶ事になる景光と百鬼丸。しかし景光は、今や脅威的に力をつけた両者の共倒れを目論む魔物たちの狙いを察知し、百鬼丸とその実弟・多宝丸に天下統一を託して自死を選ぶに至った。本来居るべき場所への帰還を果たした百鬼丸を見て、再び寂しい一人旅に出ようとするどろろ。しかし、百鬼丸は残りの体を取り戻す旅を続けると言い出し、二人の旅はまだまだ続くのであった。