1913年、日本人画家の藤田嗣治(オダギリジョー)は、27歳で単身渡仏。"フジタ"と呼ばれた彼は、モディリアーニやスーチンらと親交を結びながら制作に励む。当時、外国から移住した芸術家たちの多くがモンパルナスを中心に活躍。彼らは"エコール・ド・パリ"と呼ばれ、その一員だったフジタは、20年代前半に発表した裸婦像『乳白色の肌』が賞賛を集め、一躍注目の存在となる。やがて第二次世界大戦が始まると、パリがドイツ軍の手に落ちる寸前の40年に日本へ帰国。『アッツ島玉砕』など、数多くの戦争協力画を描いて日本美術界の重鎮に上り詰めて行く。やがて、5番目の妻である君代(中谷美紀)と共に、疎開先の村で敗戦を迎えるが……。