深夜の倉庫街。その中の一軒に明かりが灯る。かつて音楽スタジオとして使われていたその場所で、山積みになった楽器の中ひとり楽曲制作をするマサキ(鈴木士)と、いつも彼のそばにいるK(池田良)の姿があった。保育士の仕事を休んでいるアオイ(小宮一葉)は、婚約していた恋人との関係を他人に壊され、無気力にベッドに横たわり一日を過ごしていた。ピアノを演奏する様子を撮影しては動画共有サイトにアップロードするアオイ。今ではそれが世界との唯一の接点だった。ミチコ(真木恵未)は経済的にも不自由せず子どものいる幸せな家庭を思い描いていたが、結婚から2年が経ち、夫とはすれ違い、理想とは離れた暮らしをしている。息抜きで通い始めたテニススクールのコーチにしか本音を話せない。抑圧された日常から逃れるようにして出会ったマサキとK、アオイ、そしてミチコの4人は、互いに惹かれ合い、やがて不思議なコミュニティを形成していく。