大都会のバー『Y』で旧友のヤメ検エリート・石田(岸部一徳)や元ミュージカル界の歌姫・ひかる(桃井かおり)と共に夜な夜な酒を交わし、情報交換をする74歳の市川進(石橋蓮司)は、巷で噂の“伝説のヒットマン”ではなく、ハードボイルドを気取ったただの売れない小説家だった。妻・弥生(大楠道代)の年金暮らしで、担当編集者児玉(佐藤浩市)からも愛想をつかされている。小説のリアリティにこだわり過ぎた市川は、密かに殺しの依頼を受けては、本物のヒットマン・今西(妻夫木聡)に仕事を頼み、その状況を取材していたのだ。ある日、石田が中国系のヒットマンから命を狙われ、市川にも身の危険が迫る事態に。そんな市川の行動に不信を抱いた弥生は、夫の浮気を疑い調べ始める。市川はヒットマンを返り討ちにしようと今西を探すが、酔って仕事ができない状態だった。『Y』に現れた弥生は、ひかるに夫との仲を問い詰める。そこにヒットマンと市川がやってきて……。