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75.8点(137人)
観たひと
190
観たいひと
20
レビューの数
40
(C) Produced by Production Center of Andrei Konchalovsky and Andrei Konchalovsky Foundation for support of cinema, scenic and visual arts commissioned by VGTRK, 2020
1962年にソ連南部の地方都市ノボチェルカッスクで実際に起こった市民の虐殺事件。それはソ連崩壊の1992年まで30年間、国家によって隠蔽された。労働者のデモ弾圧に発したこの衝撃的事件の真相を、シングルマザーで共産党員でもある主人公の愛娘捜索を軸に描いた歴史大作。監督は「暴走機関車」(85)、「映写技師は見ていた」(91)や、タルコフスキー作品の共同脚本などで知られる、現在84歳となるロシアの巨匠アンドレイ・コンチャロフスキー。全編をモノクロかつ1.33:1のアスペクト比で撮影することで、当時のソ連社会の冷徹な空気を描出した。監督の妻でもあるユリア・ヴィソツカヤが主人公のリューダを演じた。スターリンを敬愛し、ソ連の繁栄を信じて疑わなかったリューダは、非武装の市民が次々に殺害される現場を目の当たりにして、自らのアイデンティティーを打ち砕かれていく。さらに事件を主導したKGBのメンバーの男ヴィクトルも、リューダの娘の捜索に協力するなかで、事件の隠蔽を図る国家の非情な実態を目撃する。国家に忠誠を誓った二人にとって、“祖国”とは果たして何だったのか……。
1962年6月1日、フルシチョフ政権下のソ連で物価高騰と食糧不足が蔓延していた。第二次世界大戦の最前線で看護師を務めたのち、南部のノボチェルカッスクで共産党市政委員会のメンバーとして働くリューダは、国中が貧しくとも、贅沢品を手に入れるなど、党の特権を使いながら父と18歳の娘スヴェッカの3人で穏やかな生活を送っていた。そんななか、ノボチェルカッスクの機関車工場で大規模なストライキが勃発。生活の困窮にあえぐ労働者たちが、物価の高騰や給与カットに抗議の意思を表したのだ。この問題を重大視したモスクワの中央政府は、スト鎮静化と情報遮断のために高官を現地に派遣する。そして翌2日、街の中心部に集まった約5000人のデモ隊や市民を狙った無差別銃撃事件が発生。リューダは、愛娘スヴェッカの身を案じ、凄まじい群衆パニックが巻き起こった広場を駆けずり回る。スヴェッカはどこにいるのか、すでに銃撃の犠牲者となって“処分”されてしまったのか。長らく忠誠を誓ってきた共産党への疑念に揺れるリューダが、必死の捜索の果てにたどり着いた真実とは……。
REVIEW 日本映画&外国映画:「親愛なる同志たちへ」
UPCOMING 新作紹介:「親愛なる同志たちへ」
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