東京都出身。本名・安藤さくら。俳優・奥田瑛二とエッセイストの安藤和津の次女として生まれ、4歳上の姉が「カケラ」10 で映画監督デビューした安藤モモ子。学習院女子大学国際文化交流学部卒業。2007 年、父の奥田が監督した「風の外側」でオペラ歌手を目指すが挫折する女子高生役を演じ映画初主演。当初、予定されていた女優がクランクイン直前に降板し、急遽代役に抜擢されたにもかかわらず、大胆なヌードシーンも厭わずに演じ、デビュー作から女優魂を見せた。翌08 年のさそうあきら原作、タナダユキ監督「俺たちに明日はないッス」でも性に疎い女子高生・ちづ役に扮し、初体験シーンを含む体当たりの演技を披露。同年公開の「むずかしい恋」にも出演したほか、岩松了作・演出の『恋する妊婦』で初舞台を経験するなど、女優としての実績を重ねた。さらに09 年は、みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督の「色即ぜねれいしょん」をはじめ、山田あかね監督「すべては海になる」、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督「罪とか罰とか」、吉田大八監督「クヒオ大佐」に出演。いずれも脇役ながら個性の光る好演を見せ、徐々に注目され始める。その名が一躍脚光を浴びたのは、09 年公開の園子温監督「愛のむきだし」。主人公にストーカーじみた執着を見せるカルト宗教の幹部・コイケを怪演し、ヨコハマ映画祭助演女優賞、高崎映画祭最優秀新人賞に輝いた。続いて10 年には、大森立嗣監督の「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」にヒロインのカヨちゃん役で出演。“ ブスでバカでワキガ” という強烈な欠点を持ちながらも、施設出身の孤独なふたりの若者を母性にも似た愛で包み込む女性像を印象的に演じ、アジアン・フイルム・アワード助演女優賞にノミネートされる。また入江悠監督の「SR /サイタマノラッパー2・女子ラッパー☆傷だらけのライム」10 では、女性のみのラップグループ再結成に奔走する群馬の貧乏旅館の跡取り娘を熱演。ほか山崎裕監督「トルソ」10 や矢崎仁司監督「スイートリトルライズ」10 など、気鋭の若手監督の作品に次々と出演し、キネマ旬報賞助演女優賞も獲得。女優としてのキャリアはまだ浅いが、どの役でも強い存在感を放っている。