創業以来、社長として鈴木建設を一流企業に育て上げたスーさんこと鈴木一之助(三國連太郎)が、めでたく会長に就任することに。ところが、全社員を前にしての会長就任挨拶の壇上で、頭が真っ白になってしまい、挨拶の言葉が出てこなくなってしまった。そんな一之助の窮地を救ったのは、ハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)だった。その夜、浜崎家を訪れた一之助は伝助とみち子(浅田美代子)に、言葉が出てこなくなった悩みを打ち明ける。数日後、一之助が朝の散歩に出かけたまま、行方不明になったという知らせが届き、新たに社長に就任した堀田(鶴田忍)をはじめとする鈴木建設の重役たちは大騒ぎに。一之助の妻・久江(奈良岡朋子)に泣きつかれた伝助は、仮病を使って会社を休み、わずかな手がかりをもとに、岡山県へ向かう。一之助を捜すはずが、美しい瀬戸内海を見て我慢ができなくなり、海岸で釣りを楽しんでいた伝助は、美しい娘・珠恵(檀れい)と一緒にいた一之助と再会する。一之助は、旧友の墓参りをしていたところを珠恵の母・温子(星由里子)に声をかけられ、温子が大黒を務める寺に身を寄せていたのだ。寺の境内から望む美しい海岸では、大規模なリゾート開発計画が進行していた。珠恵や、彼女の恋人の昌平(高嶋政伸)、昌平の幼馴染の木村(石田靖)ら町の住人たちは美しい自然を守ろうと反対運動を起こしていた。そのリゾート開発の建築を請け負うゼネコンが他ならぬ鈴木建設だと聞き、思わず顔を見合わせる伝助と一之助。住民への説明会が行われると聞いた一之助は、説明会に行って様子を探るよう伝助に頼む。変装した伝助は自分の上司である川島営業部長(村野武範)らを前に、愛する釣りのため、美しい海岸を埋め立ててはならないと、声高らかに開発計画反対を訴えるも、聞き入れてはもらえなかった。この大規模なリゾート開発計画の裏に、ある人物の影を感じ取った一之助は、伝助に極秘の指令を出す。