中学生の美依(声:豊崎愛生)と優子(高垣彩陽)は修学旅行で、広島平和記念公園を訪れる。彼女たちはその公園の片隅に、『マルセル・ジュノー博士』と刻まれた顕彰碑がポツンと立っているのを見つける。すると突然、不思議な光が2人を包み込む。2人の意識は時空を越え、70年以上前のヨーロッパへ飛んでいく。1935年のフランス、ミュールーズ。病院で働いている青年医師ジュノー(家中宏)は、赤十字国際委員会の派遣員として、エチオピアに赴く。タイムスリップしてきた美依と優子もジュノーの旅に同行するが、その道のりは苦難と波乱に満ちていた。赤十字だろうと構わずに無差別攻撃にさらされ、毒ガスの投下に苦しみ、次々と倒れていく人々という戦争の現実に直面したジュノーは、それでも不屈の精神で立ち上がり、戦禍に苦しむ人々に愛の手を差し伸べる。ジュノーの活動はエチオピアから、スペイン、第二次世界大戦下のヨーロッパ全土へと続く。捕虜の待遇改善と交換、手紙のやりとり、支援物資輸送路の確保と活動し続けるジュノーの姿に、美依と優子は自分を省みる。1945年、赤十字の駐日首席代表に任命されたジュノーは、原爆投下直後の広島の惨状を目の当たりにする。GHQはジュノーの要請を受け、広島へ15トンの医療物資の供与を決定する。ジュノー自身も治療に当たる。後日、マッカーサー(小川真司)はジュノーに、人のために働く原動力は何かと問う。ジュノーは、愛だと答える。美依と優子は、自分たちが知りたかった答えを聞き、現代に戻る。