リリイ・シュシュのすべて

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リリイ・シュシュのすべて

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レビューの数

82

平均評点

74.1(727人)

観たひと

1343

観たいひと

135

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 2001
公開年月日 2001/10/6
上映時間 146分
製作会社 Rockwell Eyes(制作協力 ウィルコ=イメージファクトリー)
配給 Rockwell Eyes(配給協力 日本ヘラルド映画)
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 DTS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督岩井俊二 
脚本岩井俊二 
撮影篠田昇 
水中撮影サポート長田勇 
音楽小林武史 Featuring=CLAUDE DEBUSSY 
主題歌エドウィン・モーゼス
(「グライド」)
録音滝澤修 
音響効果柴崎憲治 
スタイリスト中谷弘美 
VE佐藤学 
アソシエイトプロデューサー前田浩子 
ラインプロデューサー橋本直樹 
スチール小島健一 
写真撮影アイヴィー・チェン 
特殊効果上竹寛一 
酒井治 
松田弘志 
佐藤信一 
柳川敏克 
実原康之 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演市原隼人 蓮見雄一
忍成修吾 星野修介
伊藤歩 久野陽子
蒼井優 津田詩織
細山田隆人 佐々木健太郎
松田一沙 神崎すみか
郭智博 多田野雅史
笠原秀幸 清水恭太
五十畑迅人 飯田待典
勝地涼 寺脇仁志
内野謙太 仲貝弘和
沢木哲 犬伏列哉
高橋一生 池田先輩
阿部知代 蓮見静子
市川実和子 島袋
大沢たかお 高尾旅人
稲森いずみ 星野いずみ
杉本哲太 レストランの中年男
吉岡麻由子 小山内サチヨ
田中要次 恩田輝
上田耕一 中古CDショップ店長
鷲尾真知子 パーマ屋の客
ジャイアント茶所 黒崎大
武発史郎 津田の客
カッチャン シーサー
樋口真嗣 オタク
藤井かほり 岩崎
中島唱子 ふゆ
南イサム 神田先輩
中村太一 クリオネ
西谷有統 辻井影彦
山内秀一 黒崎伸一
田中丈資 加藤
久我未来 フィリア派
原田優一 リリイ派
児玉真菜 笹野涼香
相坂真菜美 生田恵
吉川明 磯川良子
北原ヨリ子 東海林真澄
伴杏里 井沢紀子
田口未央 村上奈津美
宇野まり絵 杉沢弥生
馬場喬子 遠藤佐知
広田愛 マリン海遊従業員
ヘレナ マリン海遊従業員
中村綾乃 マリン海遊従業員
大枡美穂 三味線奏者
土倉有貴 須藤
伊藤友樹 神野
雨宮知明 植草
生沼孝夫 CDショップ店員
樋口慎祐 CDショップ店員
大沢夏来 CDショップ店員
吉田祐健 ダフ屋
伊波国治 交通事故の夫
古川凡 警官
藤沼豊 
江成大輝 
斉藤新之助 
篠原勇 
山田誠 
吉田光宏 
岡村麻純 

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ウェブサイト上で一般参加者たちとの対話を通して書き上げられた物語を基に、イジメる側とイジメられる側のふたりの男子中学生の青春を、リアルに描出するドラマ。監督・脚本は「四月物語」の岩井俊二。撮影を「DANBALL HOUSE GiRL」の篠田昇が担当している。主演は、市原隼人と「富江 re-birth」の忍成修吾。第75回キネマ旬報ベストテン第7位、第52回ベルリン国際映画祭国際アート・シアター連盟賞、第23回ヨコハマ映画祭ベストテン第5位&最優秀新人賞(細山田隆人)受賞作品。24PHDからのキネコ作品。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

カリスマ的アーティスト・リリイ・シュシュに心酔する中学2年の雄一。学校でイジメを受けている彼は、自らが主宰するリリイのファンサイトリリフィアの中で交わす、青猫というハンドルネームのリリイ・ファンとのチャットに心癒されていた。雄一をイジメているのは、星野という同級生。1年の頃は、剣道部の部員として仲の良かったふたりだが、夏休みに仲間と出かけた沖縄旅行を経た新学期、星野は突然豹変した。クラスの悪ガキを倒し、飯田と辻井を子分に従え、雄一に万引きなどで得た金を上納させるようになったのだ。星野のイジメの対象は雄一だけに留まらない。詩織もまた星野の命令で援助交際させられ、そのあがりを星野に渡していた。更に、雄一が秘かに心寄せる陽子もまた、彼女を嫌う女子同級生の企みで星野一派にレイプされてしまう。12月8日、リリイのライヴが代々木で開かれることになった。チケットをゲットした雄一は、青猫と会う約束をして会場へ向かう。ところが、そこにいたのは星野。雄一がリリフィアの管理人であることに気づいていない彼は、雄一のチケットを奪うとひとりでライヴを楽しんだ。会場に入ることの出来なかった雄一は、ライヴ終演後の雑踏の中、どさくさに紛れて星野を刺し殺す。そして2001年、15歳になった雄一は淡々とした日々を送っている。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2020年7月下旬号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第8弾 2000年代日本映画ベスト・テン:ベスト11

2002年8月上旬号

日本映画紹介/外国映画紹介:リリイ・シュシュのすべて

2002年7月上旬号

DVDコレクション:第22回 「リリイ・シュシュのすべて」

2001年12月上旬号

劇場公開映画批評:リリイ・シュシュのすべて

2001年9月下旬号

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:カラーグラビア 市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:伊藤歩 インタビュー

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:市原隼人×忍成修吾×蒼井優 座談会

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:岩井俊二(監督) インタビュー

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:少年論

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:篠田昇(撮影監督) インタビュー

特集 「リリイ・シュシュのすべて」:作品評

2001年1月上旬新年特別号

巻頭特集 2001年の映画、21世紀の人:「リリイ・シュシュのすべて」岩井俊二

2024/08/17

2024/08/17

-点

テレビ/無料放送/BS松竹東急 


岩井俊二監督

14歳の青春ですか、ヤバいけど現実いじめられては人からしてみたら、あった話しだと思います。

2024/07/07

2024/07/07

-点

選択しない 

詩。エーテル。光。浮遊感。思春期。イジメ。援交。カルマ。それぞれの地獄。絶望の赤。希望の青。透明なエーテル。

人それぞれのエーテルがある。だから透明なのかもしれない。この映画においては、リリィシュシュ。それぞれが、リリィシュシュを好きになる。それぞれに、リリイのエーテルに共鳴する「経験」がある。悲惨なエーテル。リリイのそれは、いちばん透明な、エーテルらしい。いちばん透明であることの危険。奥深くのエーテル。深淵には希望もあれば、それだけの絶望もある。

エーテルのオリジンにはドビュッシーとサティがいる。印象派。岩井俊二は映画界の印象派である。けどそれは模倣ではなく、ドビュッシーを知る前から、心にあるらしい。ドビュッシーのアラベスク。久野。


星野がこわれたキッカケ、沖縄で人の死を見てからおかしくなった。人ってこんなに簡単に死ぬんだ。脆いんだ。一度グロテスクに触れたことで、簡単にグロテスクに向かえる。ヤンキーをしばく。どころか、援交の斡旋。久野をレイプ。この辺で家庭崩壊したことを聞く。これまで自分自身よりよく見られることが嫌いだったのに、さらにそのギャップが広がる。だから自分自身を下げるしかなかったんじゃないか。彼なりの生存戦略。しかし、それにしても酷い。久野に目をつけた合唱コン。「自身よりよく見られる」という共通点を感じたんだろう。お近づきになりたいのかと思ったら、まさかのレイプ。なぜ?うーむ、彼女は自分と似た存在。彼女をこわしたかった。自分をこわしたかったのかな。世界を憎んでいるはすだから、自身に似てるのに、凛とした久野が許せなかったし、こわしたかったのかも。だけど、こわれたのは援交少女だった。援交少女は何度も姦通を許していた。その上で「久野は強いから大丈夫」と思っていた。次の日久野は坊主にしてきた。それを見てなく援交少女。自分より遥かに強いと思っていた久野は、普通の人間で、脆かった。そんな経験を一度ならず、何度も繰り返している自分。自身が想像以上に「こわれている」ことに気付いてしまう。途端に、どんどんこわれてしまう。希望に溢れたカイトのシーンから、いきなり絶望の飛び降りカット。情緒がこわれちゃってる。人間、心がこわれると、身もこわれる。援交少女の死でユウイチもこわれる。崩壊の連鎖。ユウイチはゲボを吐き、成績を落とす。久野をレイプさせた星野が悪い。けど斡旋にずっと付き合ってたのは紛れもない自分で。けどそれを大人に話せるわけもなく。

星野、久野、援交少女、ユウイチ
それぞれがこわれてって、ライブを迎える。
青リンゴ。希望の青。青猫。


田んぼのエーテル、沖縄のエーテル、手持ちビデオのエーテル、リリィシュシュのエーテル。

2024/02/08

2024/02/09

60点

テレビ/有料放送/WOWOW 


なんだろう・・

こういう作品だったのか・・・。思春期特有の鬱屈した心情・・・。どうしてこんなことが普通に出来てしまうんだろう・・、こういうのに出会うたびにそう感じてしまう。

2024/01/13

2023/11/01

70点

VOD/abemaTV 


田園を遮断していく音

青田と稲が見える.ラストショットで田園地帯の稲藁の間に座り込んでいる蓮見(市原隼人)も見える.津田(蒼井優)や星野(忍成修吾)もやはりそうした田園に佇み何かを聴いている.ヘッドフォン,イヤフォン,それぞれの仕方でそれぞれの音楽を聴いているように見えるが,目下の話題は「リリイ・シュシュ」らしい.ファンサイトでは,歌声としての彼女のエーテルとアーティスト談義が盛り上がってもいる.
ジョン・レノン,ドビュッシーのピアノ曲,椎名林檎,南島の音曲,合唱曲はアカペラの「翼をください」,KinKi KidsのCD, 吹奏楽など音楽はさまざまなジャンルが混じり混んでいる.ジョンが暗殺されたその日から20年ほど経った日に,代々木第一体育館でリリイのコンサートが行われている.
CD時代を示すレコード店とそこでの万引き,佐野や足利の北関東な地名,高速バス乗っ取りという騒ぎ,夜の暗さ,宇宙の始まりが見え,聞こえている.宇宙人は何を考えているのかわからないし,「俺のことわかっていない」世界がいまここにある.1980年12月,1995年2月,1999年,2001年と時は刻まれ,年代記のように物語は綴られ,字幕は一種の詩篇のようにも働いている.
アラベスクという用語も聞こえる.アラグスクという島の語にも関わるのだろうか.廊下の奥の露光の変化とキャメラの小さな移動が見える.キャメラはいつでも揺動しながら,時に星野が手に持っているらしきハンディカメラによる撮影が挿し込まれる.
答辞を読んだ星野も優等として存在しているが,剣道部の池田先輩(高橋一生)やクラスのリーダー的存在の佐々木健太郎(細山田隆人)などすくすくと育っている子もいる.橋の上から立ちションは,雨とバスのようなイメージと連動し,海洋と島嶼には楽園と地獄も重ねられる.トビウオのような魚ダツが無意味に襲いかかる.急に飛び出した男(大沢たかお)は頭から血を流して死んでおり,それは飛び,墜落した女性のイメージに重なる.案内人(市川実和子)がそこにはいるが,世界は不案内でもある.
迷い込んだ女性たちがいる.そこで久野(伊藤歩)は抵抗を示す.津田も静かに涙を流している.価値は廃れ,札束は海に投げ上げられ,3万円の万札は踏みつけられる.犬伏(沢木哲)は犬の真似をさせられており.価値だけでなく上下も転倒したかに見える.学校に来られなくなってしまっている犬伏をよそに,学校制の年代を継続されている.担任教師(吉岡麻由子)はクラスに意見を求め,出欠をとり,その年代記に日々の記録をつけている.「先生,蓮見くんが吐きました」とどこからともなく報告がある.蓮見の頭の中には,先生曰く「変な」音が鳴っているらしい.足の裏を見せる不敵で不遜な津田もいる.電柱がそこに倒れていなければならない.倉庫がそこにあり,風の音が聞こえている.腹も空っぽになってしまった津田もいる.神崎(松田一沙)が暗躍しながら,青空には白い飛行機雲が水平な線を描き,カイトが重力をよそに風に乗って赤く舞っている.地上には葬列が見え,星野は田園で叫んでいるらしい.彼の音はどこに伝わっていくのだろうか.

2023/10/09

2023/10/09

88点

その他 


思ったよりヘビーな内容で衝撃

タイトルはもちろん知っていたけど初めて観た。
素晴らしかったと思うけど、10代の時に観たらもっと衝撃的だったろうな。
思春期特有の鬱憤みたいなものが全部詰まってる。だいぶヘビーで陰湿だがこういう事はかつてどこにでもあったと思う。

2022/02/10

2022/02/10

65点

選択しない 


ふざけてる

のにシリアスにまとめてる
よく飽きずに作れたなぁと思う