お腹に熊のぬいぐるみを詰められ川に委棄された男の殺人事件と、刑事課のデスクから領収書や小銭入れなどが盗まれる窃盗事件の捜査で慌ただしい湾岸署に、その日、警察庁参事官の室井を筆頭とした本庁の面々が物々しい装備でやって来る。彼らは湾岸署に特別捜査本部を設置。実は、湾岸署管轄内に住む警視庁の吉田副総監が身代金目的の誘拐にあっていたのだ。本庁の連中は秘密裡に捜査を進めるばかりで、一切湾岸署には協力を求めようとはしない。そんな彼らのやり方に腹を立てながらも、青島たち湾岸署の刑事は殺人事件の捜査に躍起になっていた。真下刑事と捜査講習を終えたばかりの桂木刑事によって、被害者がインターネットで仮想殺人のホームページに頻繁にアクセスしていたことを知った青島は、そのホームページの開発者・テディとの接触を図る。同じ頃、室井たちは誘拐犯との身代金の受け渡しを実行に移そうとしていた。ところが、指定された遊園地に刑事たちを配備していたことが犯人グループに知られてしまい、計画は失敗。指揮を執っていた室井は、辛い立場に追い込まれる。一方、青島たちも実はテディと名乗る人物が女であることを突き止めながら、彼女を取り逃がしてしまうのであった。湾岸署内に重い空気が垂れ込める。そんな中、吉田副総監と懇意であった和久は、独自の聞き込みを開始していた。誘拐犯グループから、副総監殺害を予告する電話が入った。室井たち本庁捜査陣は、仕方なく公開捜査に切り替え、青島たち湾岸署の刑事たちにも検問などの出動命令を下す。その時、湾岸署に拳銃を持ったテディこと殺人マニアの日向真奈美が姿を現した。不適な笑みを浮かべる彼女は、殺人を犯した自分を早く逮捕し、死刑台へ連れて行けと言う。ひとりの警官の活躍で彼女を逮捕することに成功する青島。だが、その警官は制服を巧みに使用して、所内で領収書以外の小銭入れなどの窃盗を働いていた犯人でもあったのだ。こうして湾岸署の事件は一件落着する。しかし、誘拐犯の方は未だなんの手がかりも得られていない。その時、青島は日向に事件を解くヒントを貰うことを思いつく。犯罪に詳しい彼女なら、犯人像のヒントをくれるはずだ。果たして青島の予想通り、日向は脅迫電話の録音テープから犯人グループは実は計画性のない幼稚な者たちの仕業であると教えてくれた。同じ頃、副総監の家の周りの聞き込みをしていた和久が、怪しい少年の存在に目を光らせていた。ところが、その少年の後をつけた和久は少年とその仲間に襲われ、ゴミ焼却場に拉致されてしまう。日向のヒントを頼りに、殺人マニアのチャット仲間から未成年者を探っていた青島たちは、やがてその中に坂下始という少年の名前を見つける。そして、その少年の住む団地のゴミ焼却場で和久を助けると、恩田と共に少年の家に乗り込んだ。果たして、そこにはゲーム感覚で誘拐を企てた少年たちが集まっていた。彼らを逮捕しようとする青島。ところが、少年を溺愛する母親が青島を包丁で刺してしまった。後から駆けつけた室井と恩田は、青島を病院に運ぼうと必死に車を走らせる。恩田の膝の上で虫の息の青島。やがて、静かになった青島は…、ふたりの心配をよそにそれまでの寝不足から深い眠りについていたのであった。こうして、副総監誘拐事件は解決。領収書窃盗の犯人も、実は経費削減を訴える神田署長の仕業であることが判明して、湾岸署には平和が戻る。一方その頃、怪我で入院していた青島は、一日も早く現場へ復帰すべくリハビリに余念がなかった。