対テロ戦争による破壊の傷が生々しく残る東京。そこに帰国した一人の青年。後に“新十郎”(声:勝地涼)と呼ばれることになるこの青年の側には、謎めいた少年、因果(声:豊崎愛生)がいた。行く当てもない新十郎に、東京検察庁の虎山泉(声:本田貴子)が近づいてくる。用件は、新興宗教“別天王会”の会師、大野妙心(声:諏訪部順一)に関わることだった。彼が、現御神(=あきつみかみ)を称する少女“別天王”を祭り上げ、“ヤミヨセ”という秘密儀式を行っていた最中、信者が次々と黒い獣に襲われて死ぬ事件が発生したというのだ。だが、獣そのものの存在を証明できず、警察は殺人事件として立件できずにいた。そう語る虎山に対して、“大野妙心は死んだ”と告げる新十郎。戦前、新十郎はアジアのとある国で、大野や学生時代の友人、世良田(声:川島得愛)たちと行動を共にしていた。そこで反政府軍との紛争に巻き込まれ、大野と仲間たちは無残に命を落とし、唯一の生き残りが新十郎だったのだ。新十郎と大野の因縁を知る、検察庁特別顧問にしてインフラ王の海勝麟六(声:三木眞一郎)は、新十郎にこの事件の謎を解かせようと企んでいた。大野に接触し、正体を暴こうとする新十郎。それは彼にとって過去の事件の清算という意味を持っていた。過去と現在が交錯し、真実を求める新十郎の前に神をも超える力を持つという別天王が立ち塞がる。それは、新十郎と因果の出会いから始まる最初の事件……。