あの日、日本は消滅の危機に瀕していた。2011年3月11日午後2時46分。東日本大震災が発生。福島第一原発では、全電源喪失の事態に陥った。冷却装置を失った原子炉は、温度が上がり続けてゆく。このままいけば、チェルノブイリに匹敵する最悪の事態が迫っていた。巨大な怪物へと変貌を遂げる原発に対して、想定外の状況を前にして判断を誤る科学者たち。情報不足のまま混乱を極める官邸、故郷に別れを告げて避難を急ぐ市民たち。打つ手のないまま、時は刻々と過ぎ、やがて無情にも地震発生の翌日、3月12日午後3時36分、1号機の原子炉建屋が水素爆発した。続けて3号機、2号機と連鎖するように起こる異変。破滅に向けてのカウントダウンは、止まることを知らなかった……。