東京・銀座で働くキャリアウーマンの橙花(松本穂香)は、夫と別居中。最近は仕事もうまくいかず都会の生活に疲れ気味だ。そんななか、母の三回忌を迎え、橙花は船にゆられて故郷の離島へと向かう。ところが、実家に帰ると父・青治(板尾創路)が亡き妻の服を着て食事を作って待っていた。唖然とする橙花に追い打ちをかけるように、見知らぬ男女が現れる。家に居候しているのはお調子者の中年男・和生(浜野謙太)と生意気な女子高生・ダリア(モトーラ世理奈)だった。そのうえ父は「父さんは母さんになろうと思う」と言い出し、和生と再婚して「みんなで家族になる」と宣言する。突然の父の報告に動揺する橙花。そこへ、そんなことは一切気にも留めない様子の弟・翠(笠松将)と身重の妻サムザナが加わり、みんなで食卓を囲む羽目に。おおらかな島の住人たちと暮らし始めた橙花は、次第に自分が考える常識から解き放たれ、自分らしく生きることの大切さに気付いていく……。