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     KINENOTE DATA       前日比
会員数 54,732 0
総鑑賞データ数 7,067,660 583
総レビュー数 933,645 120
鑑賞方法別データ数
映画館 1,835,094 163
レンタル 596,957 16
購入 124,770 19
VOD 560,217 136
テレビ 924,624 92
その他 158,713 13

太陽と桃の歌

  • たいようともものうた
  • Alcarràs
  • Alcarras
  • 平均評点

    71.6点(63人)

  • 観たひと

    90

  • 観たいひと

    8

  • レビューの数

    17

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 スペイン=イタリア
製作年 2022
公開年月日 2024/12/13
上映時間 121分
製作会社 Avalon=Elastica Films=Vilaut Films=Alcarras Film=AIE=Kino Produzioni=MK2 Films
配給 東京テアトル
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
メディアタイプ ビデオ 他
音声 5.1ch
上映フォーマット デジタル

スタッフ

キャスト

(C) 2022 AVALON PC / ELASTICA FILMS / VILAÜT FILMS / KINO PRODUZIONI / ALCARRÀS FILM AI

場面

予告編


     

解説

「悲しみに、こんにちは」のカルラ・シモン監督の長編2作目にして、第72回ベルリン国際映画祭金熊賞(最高賞)を受賞したヒューマンドラマ。桃農園を営む大家族が地主から桃の木を伐採してソーラーパネルを敷き詰めると告げられ、家族崩壊の危機のなか最後の収穫を迎える姿を描く。前作同様にスペインのカタルーニャ地方を舞台に、豊かな大地と実り、きらめく夏の陽光と風をとらえた。プロの俳優ではなく、その地に愛着を持つ地元の人々を起用。家族の生き生きとしたやりとりが、不当な現実と怒りを浮き彫りにする。

あらすじ

スペイン・カタルーニャ。三世代にわたる大家族で桃農園を営むソレ家が例年通り収穫を迎えるころ、夏の終わりに土地を明け渡すよう地主から言われる。桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるためだ。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば楽に稼げるという言葉に心を動かされる。祖父は賭け事に懸けようとし、父は取り付く島もなく、長男は資金稼ぎに畑の片隅で大麻を栽培し始める。てんでバラバラに桃農園の危機を乗り越えようとして大げんかになり、一家に大きな亀裂が入ったまま最後の収穫が始まろうとしていた……。

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    登録日 2025/02/25

    評点 70


    鑑賞方法 映画館 

    字幕


    畑があってもなくても

    畑があってもなくても、家族の関係は変わらないのだ。


  • 鑑賞日 2025/02/17

    登録日 2025/02/17

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/兵庫県/シネピピア 

    字幕


    舞台はスペインカタルーニャ地方

    何の前知識無しで鑑賞。桃の収穫、家族、ソーラーパネル。どうやらソーラーパネル設置のため桃栽培の小作人たちは今年の収穫を最後に追い出される様です。


  • 鑑賞日 2024/12/14

    登録日 2025/01/16

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/北海道/ディノスシネマズ札幌劇場 

    字幕


    どうしようもない時代の変化

    スペインで桃農園を営む大家族は、平穏に暮らしていたけど、元々その土地は、祖父の代に助けた恩で地主から譲り受けたもので、口約束だったことから、地主が息子の代になった途端、大規模な太陽光発電ビジネスをやることにして、桃農園の家族に土地を明け渡すように言われてしまう、というところから、土地の権利を主張しようにもどうしようもないことから、家族総出で最後の収穫をする夏の日々を描いていて、時の流れ、時代の移り変わりを感じながら、三世代の家族のかけがえのない日々を情感を込めて描いていて、古き良き時代を想う、というよりも、どうしようもない時代の変化を肌で感じる感覚で描いていると思いましたね。


  • 鑑賞日 2024/12/15

    登録日 2025/01/01

    評点 73


    鑑賞方法 映画館/東京都/アップリンク吉祥寺 

    字幕


    優しくて強いビンタ

    ドキュメンタリーみたいに自然な家族だったなぁ…
    母のビンタも父の涙も、グッときた。
    みーんな良い人たち。

    太陽と桃畑に守られて、とても素直に育った家族。

    長男と長女、今どきこんな良い子どもいる?ってぐらいよ。
    桃畑の危機に直面し、それぞれの反応が、またそれぞれに解るんだけども、
    どうしようもないだよね…。

    家族の絆で乗り越えてくれることを切に願います!


  • 鑑賞日 2024/12/20

    登録日 2024/12/29

    評点


    鑑賞方法 映画館/三重県/イオンシネマ東員 

    字幕



    スペインのカタルーニャ地方が舞台。伝統的な桃農園が、太陽光発電のために廃業を迫られる。
    天真爛漫に遊びまわる子供たちが印象的。イリスがリーダーになって、ペレ、パウの双子を引き連れて走り回る。双子がいつも同じ服を着ていてかわいい。時には収穫のお手伝いもする。いつまでも眺めていたいような平和な風景。思春期のロジェー、マリオナ、小さくて可愛いティアなど、他にも多くのキャラクターが出てくるが、それぞれ個性があって面白い。行きすぎた資本主義のため、失われゆく自然、遊び場。子どもたちの居場所を慈しむような監督の眼差しが印象的だった。


  • 鑑賞日 2024/12/26

    登録日 2024/12/27

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/福岡県/KBCシネマ 

    字幕


    野ウサギと桃と小作農たち

    太陽光パネルの設置に伴い地主から立ち退きを迫られた桃農園の家族の物語。冒頭で廃車の中で遊ぶ子供たちが突然現れたショベルカーに驚き、あっという間に廃車が宙吊りにされていた。土地の再開発は日本でも大きな社会問題だが、イタリアでも同様に違いない。

    農園の主はパネル管理の仕事を打診されるがその場で拒絶する。将来の展望が見えないまま家族たちは最後の収穫を迎えることになる。長男は小遣い稼ぎで大麻の栽培に手を出し、長女は村祭りで披露するダンスの練習に余念が無い。まだ幼い次女は双子のいとこと走り回っては隣家のスイカにいたずらしていた。長年繰り返してきた農園の日常風景が次第に一変していくのだが、並行して描かれるのは大手卸売業者による買い叩き。農家の担い手たちが団結しトラクターで相手方に乗り込んで荷台の桃を路上に散乱させる下りは見ていて痛ましかった。土地の再開発と同じで利益至上主義の人間社会が招いた弊害だ。

    家族と言えど一枚岩とはいかず叔父夫婦はパネル管理の仕事に宗旨変えする。庭のプールで家族全員が大はしゃぎするのだが、こんな幸せそうな風景もこれが最後になるかもと思ったら素直に喜べなかった。
    ラストでは遂に桃の木が重機によって伐採されていく。その横で歓声をあげて遊ぶ子供たちとのコントラスト、本当に無常感が込み上げるシーンでした。


  • 鑑賞日 2024/12/26

    登録日 2024/12/27

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/京都府/アップリンク京都 


    押しつぶされていく… ネタバレ

    「悲しみに、こんにちは」のカルラ・シモン監督の2作目の長編は、伝統的な桃農家が現代の効率優先の社会に飲み込まれ、家族の絆すら断ち切られようという事態に…

    地主による懐柔策で、絆や信頼がバラバラにされる事態は、多くの社会で見てきたことで説得力がある。

    観客の願いも空しくブルドーザーによってなぎ倒されていく桃の木に、大資本に押しつぶされる多くの庶民の姿が重なってしまう。監督の親類も桃農家とのことで、本作を支えるリアリティの理由も分かる。

    明るい「太陽」に甘い「桃」のイメージを期待すると裏切られるビターな人間ドラマ。


  • 鑑賞日 2024/12/19

    登録日 2024/12/22

    評点 74


    鑑賞方法 映画館/大阪府/なんばパークスシネマ 

    字幕


    家族に乾杯.だけど鶴瓶はいらねぇからな!

    こーゆー素敵邦題を付けてもらえますと,この呼延灼もいちいち原題改悪裁判を開廷する必要ないんですよ.責任者各位は褌締め直してタイトルを決定していただきたいと存じます.本作の内容なんてほとんどこのタイトルで説明できるわけで,あと内容説明に必要なことがあるとするなら家族という単語くらいです.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.
    ラストの伐採された桃園の引きの絵で,本当に桃園の真ん中に家族が居たんだなと体感できたのはちょっと感動してしまいました.なんでラスト?って言いますと,それまでは家族の目の高さを意識しているのか,俯瞰的な絵がなかったからです.あったとしても,呼延灼は見逃しているので,それはもう無かった事と同義です.

    感動といえばやはり爺さん.自分の不始末(と言っても当時の常識では仕方の無かったこと)で,桃園を手放さざるをえないことの後悔と悲しみ.長男からの叱責にも反論することなく耐える姿と,孫娘と一緒に口ずさむ歌の歌詞の合わせ技で落涙しそうになってしまいました.

    にしてもいつの時代も,どこの世界であっても嫁そして母は強しでございますなぁ.あの憑き物を落とす平手は世界遺産に登録してもよいレベルだと存じます.


  • 鑑賞日 2024/12/18

    登録日 2024/12/22

    評点 70


    鑑賞方法 映画館/東京都/ヒューマントラストシネマ渋谷 


    まるでTVのドキュメンタリー

    映画は事前に情報を調べずに観る。これはどこの国の話なのか、この貧しさはイランか、ヨーロッパの小国かと思ったが、スペインの田舎が舞台だった。

    ソーラーパネル開発をするので立ち退けと地主から宣告され、それにどう向き合うのかという桃農園の大家族の群像劇。まるでテレビのドキュメンタリーのようだった。家族のなかで衝突もあるが、役者が素人というのもあるが、家族を俯瞰するような描写なので大味に感じる。ドラマがなかなか進展しないのだ。どう観たらいいのかと迷うときもあるくらい緩やかである。でもそこが本作の独自性でもある。農園の農業をきちんと記録として残そうとする目的があり、田舎特有の緩やかな時間のなかで家族の再生や絶望を描くというものである。


  • 鑑賞日 2024/12/18

    登録日 2024/12/20

    評点 75


    鑑賞方法 映画館/神奈川県/kino cinema 横浜みなとみらい 

    字幕


    大人って弱っちいね

    映画芸術として優れているなあと感じる。
    自然ゆたかというかド田舎というか、そんな風景の中で、子供たちが廃車に乗って遊んでいる冒頭から、自然の中の荒涼といったムードがしっかり漂っている。
    桃農園を経営している家族が、資本家から立ち退きを命じられるという筋立てで、「昔から続けられてきた搾取と排除の物語」が、おそらく現代のスペインの地方でも「同じように」続いているのだ、ということを淡々と描いていく。
    契約というデジタルに、口約束というアナログが破れていくという立て付けは、まさに現在そのものだし、跡継ぎの問題や、家族の中での考え方の違いによって引き裂かれていく心情や、エコというものへの逆らえなさと、しかしそれがしょせん資本の中に急襲されていく哀しみと、分断される親族と、さまざまな要素が盛り込まれ、いわば「文学としての映画」なのだなと感じた。
    すごく面白い映画ではないのだが、この家族のかかえている課題は日本の我々が抱えている課題と地続きだとも思わされ、身に迫るものが多かった。
    一つ言えるのは「子供は強い、そして大人は弱い」ということかも。