アーチャーズ・プロの一九四八年作品で、このプロダクションの例により、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーが脚本と監督と製作に協力して成った物。ストーリーはハンス・アンデルセンの童話に取材してプレスバーガーが書下し、キース・ウィンターが台詞を書き加えた。テクニカラー色彩映画で、撮影は同プロの色彩映画をつねに担当しているジャック・カーディフが監督した。音楽は同プロの前作「黒水仙」と同じく新人作曲家ブライアン・イーズデールが作編曲並びに指揮している。但し「赤い靴」バレエの場面はトマス・ビーチャムがロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラを指揮している。また同バレエはロバート・ヘルプマンが振付しているが、靴屋の踊だけは靴屋に扮して踊るレオニード・マシーンが自ら按舞したものである。装置はハイン・ヘックロス設計。出演者は「たそがれの維納」「プラーグの大学生」等ドイツ映画でおなじみのアントン・ウォルブルック、「天国への階段」のマリウス・ゴーリング、ロンドンのサドラーズ・ウェルズ・バレエ団のモイラ・シアラー、同バレエ団の踊り手、兼振付師のロバート・ヘルプマン、バレエ界の古参踊り手レオニード・マシーン、モンテカーロ・バレエ団専属のリュドミラ・チェリーナ、古くから欧米映画で馴染ふかい老優アルバート・バッサーマン、「ヘンリー五世(1945)」のエズモンド・ナイト等である。