東京郊外の新興住宅地に住む林海寺家は義父・成雪、母・良子、中学2年の娘・スギナの3人家族。母も父も再婚同士の言わばスクラップ家族なのだが、父は一流企業のエリート・サラリーマン、娘は名門女子中学の優等生と近所でも評判。だが、実はスギナはいじめにあって登校拒否、成雪も出社拒否をしていたことが分かり大騒動になる。母の心配をよそに、成雪は娘の教育に目覚め、いつも一緒にいるためにも自宅で「何でも屋・林海寺社」という会社を開業する。掃除や料理の仕方もロクに知らない義父に新鮮さと親近感を覚えるスギナに対し、良子は実父・江島や成雪の前妻・紅子にまでDMを送る成雪の無神経さにショックを受ける。彼女は自分が働こうとクラブのホステスになるが、過労で倒れてしまった。紅子とも知り合い、江島とも再会したスギナは、義父から学校では得られないような素晴らしい個人授業を受け、忙しくも充実した日々を過ごす。一方の成雪も、スギナとの生活や紅子のマンションの火事騒ぎをきっかけにエリート生活の中で失っていた人間らしさを取り戻す。スギナもまた義父から自分が家族にとって必要な人間であることを確信する。母も徐々にだが馴れていっているようだ。そうしてスギナは大人になっていった。義父との、まるで夏休みそのもののような自由と喜びの日々を経て――。