今から50年以上前、音楽好きのキングズリーとチャールズのウォード兄弟は、家業の酪農場を引き継いだ。当時エルヴィス・プレスリーに夢中だった二人は、ウェールズの片田舎の農場で仕事する傍ら、屋根裏に録音機材を持ち込み、友人らと使用する目的でレコーディングスタジオを作る。空き部屋を宿泊施設に改修したことで、兄弟は図らずも世界初の宿泊可能な滞在型音楽スタジオ、ロックフィールドを設立。すると瞬く間に情報が広がり、バンドマンが録音したい場所として国際的な注目を集めた。ブラック・サバス、クイーン、エコー&ザ・バニー・メン、イギー・ポップ、デヴィッド・ボウイら多くの人気ミュージシャンが利用。クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』、オアシスの『ワンダーウォール』、コールドプレイの『イエロー』など数々の名曲たちがここで誕生した。1997年の最盛期にはイギリス国内ベスト10のうち7つのアルバムがロックフィールドで録音されたという逸話も持つ。ロックスターたちが多数登場し、自らロックフィールドでの逸話を楽曲とともに振り返る。